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もの憂いげな純情 17

「この数週間、陽斗のことばかり考えてた。わかったんだ。陽斗はずっと特別で、いつも近くにいてくれた。俺はその時からきっと好きだったんだよ…───」 「どうして俺なんかのこと、好きとか言うんだよ」 「どうして? 今も泣きそうな顔してる陽斗をなんとかしたいって思ってる」 「……後悔したりしてほしくないし、俺だって嫌われたくない」 「嫌わない。好きだって何回言ったら伝わんの?」 どうして逃げても逃げても追ってくるような言葉で追い詰めるのか。 どうしてこうなってしまっているのかも、俺の頭はついてきていないというのに。 それに俺は確かに軽蔑されて嫌われていたはずだ。 「……こないだあの同じ寮の子に俺には近付くなって言ったくせに。俺のこと、嫌ってて言ったんだろ」 思わず恨みがましい言葉を口にしてしまうと、途端に和臣の顔色が変わった。 「え、澤村に会ったのか!?」 「あの子、澤村って言うのか」 「え!? 澤村にいつ会ったんだよ!? つか、陽斗は女子も恋愛対象なのか!?」 また肩を掴まれながら矢継ぎ早に質問され、たじろぎながら眉を寄せると、慌てて和臣は俺の肩から手を離した。

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