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もの憂いげな純情 22

咄嗟に顔を伏せた。 やばい。恥ずかしすぎて顔があげられない。 顔が熱くてたまらない。きっと耳まで真っ赤になっているに違いないし、こんな顔絶対に見せられない。 でも和臣はそんな俺の顔を覗きこみ、満足そうに微笑みながら抱きしめて来たんだ。 「ねぇ、陽斗。俺と付き合って。付き合うって言って」 胸が苦しい。 こんなに好きなのに、こんなに嬉しいことはないのに、どこまでも臆病な自分自身に苛立ちを感じる。 でも、もし和臣を手に入れてしまったら、もっと欲張りになって、もっと執着するだろうって、そんな自分も怖かったんだ。 いつか終わりが来た時に、どうなってしまうんだろうって想像するだけでも足がすくむんだ。 「今までお前は付き合った相手と長く続かなかった。始まってしまったら終わってしまうんじゃないかって……怖いんだ」 素直な胸の内を吐露すると、和臣の表情は更に柔らかくなる。 「陽斗とは終わらないよ」 「今までの彼女とも終わる前提でなんて付き合ってないだろ!?」 すると和臣は少しだけ寂しそうに微笑んだ。 「俺さ、いつも振られて終わるのね。だから、陽斗が俺に愛想つかさない限り終わらないよ」 「理屈になってない」

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