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もの憂いげな純情 32
「ま、待…ッ………」
体温の高い和臣の手はどこを触られても気持ちよくて、指先が、手の腹が、和臣が触れるところ全てに体が反応してしまう。
「陽斗……」
吐息まじりに呟きながら首筋に唇を這わせ、その手は胸へと伸びていく。
そしてその指が小さな突起に触れたとき、体がまたびくりとしなってしまった。
「…っ……」
そんな俺を見た和臣は、今度はそこばかりを執拗に指の腹でこするようにして、硬くなってくると摘まんだりして次第に唇まで這わせてくる。
「あっ…ッ……」
思わず声が漏れてしまい手で口を塞ごうとするも、またその手を捕まれ代わりに激しいキスが降ってきた。
こんな和臣は知らない。
こんな和臣は見たことがない。
和臣はキスをしながらもまた体をなぞり、腰に到達すると今度は俺のベルトに手をかけていた。
ガチャガチャとベルトを外す音にはっと我にかえる。
「ま、待て。本当に待って……」
そこは駄目だと抵抗するも、一気に下着ごと下ろされてしまい、むき出しになった中心部は少し頭をもたげていた。
凝視されるのも気まずくて、もうやめてくれと、言おうとした瞬間。それは和臣の手の中にあって……。
思わず体が逃げようと反応するけど、抱き締められたままゆるゆると握りこまれ、もう何がなんだかわからなくなる。
「や…、めて」
「陽斗も勃ってる」
「そりゃ、お前が触るからだろ」
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