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もの憂いげな純情 48
───…
シャワーからあがってくると、Tシャツにボクサーパンツとラフな格好の和臣がベッドで寝ていた。
多分、寝るつもりはなかったであろう中途半端な寝姿に少し笑ってしまう。
布団をかけ直そうとしたらうっすらと目を開けた和臣の腕が伸びてきた。
「ごめん。起こしたか?」
「……あ、ごめん。寝るつもりなかったのに。やばい……」
睡魔が来たらしい和臣は俺を抱き寄せるようにしながら目を擦る。
「陽斗、こっち」
「もう、寝ろよ」
「陽斗と話したいこと……まだあるんだけど」
「明日、聞くから」
「……うん」
布団をかけ直し、しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてきた。
ただですら和臣はハードな生活を送っている。
今は自分のことだけでも大変な時期だろうに、こうやって俺に会いに来てくれた。
長い付き合いだからこそ、それが特別なことだと理解できる。
そして和臣を起こさないようにベッドに潜り込んだ。
和臣の匂いに囲まれて眠れるなんて夢かもしれないと思った。
「和臣、好きだよ」
寝顔に向かって触れるだけのキスをした。
夢でもいいとさえ思った。
例え、起きたときに全て夢だったとしても、今まで知らなかった幸せを感じられたからいい。
そう思えそうなくらい温かい感触をかみしめながら目を閉じたんだ。
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