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恋しく慕わしい 10

今まで寝た相手に面と向かってこういうことを言ったことなんてないけど、和臣にはちゃんと伝えてあげようと思って顔を寄せる。 「気持ち良かったよ。今までで一番気持ちよかったんだ」 すると、一瞬にして耳まで真っ赤になった和臣がおかしくて笑ってしまうと笑うなと怒られた。 「綺麗な顔してるんだからそんな風に言うな」 「そんな風ってどんな風だよ。顔は関係ないだろ」 「俺にはあるんだよ!」 焦りながら言う和臣と目が合うと、笑いが込み上げてきて、俺につられて和臣も笑いだす。 そして一頻り笑うと和臣が大きく呼吸をして目を細めた。 「でも、もっと知りたいから陽斗の好きなとこ、もっと教えて」 「和臣にだったらどこ触られても気持ちいいよ」 「また、お前! 言葉責めとかやめてくれ。やばいから」 「言葉責めってなんだよ」 「やばいって、昨日のでそっちの方も覚えちゃったからやばい」 また照れた表情で言う和臣は可愛らしくも思えて、何でもしてあげたい気がする。 「いいよ」 「だ、ダメだって! そればっかりになるだろ!?」 「いいのに。俺、セックスすきだし」 「涼しい顔してエロいこと言うなよ!」 「どこがエロいんだよ」 慌てる和臣がおかしくて笑っていたのに、何故か泣けてきた。 本当にこんな現実が来るなんて夢にも思わなかった。

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