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恋しく慕わしい 11

笑い泣きなんてややこしいところを見られたくなくて俯くと、和臣に抱き締められていた。 「俺、これからもっともっと頑張るから! 絶対に医者になるから!」 「和臣は頑張ってるだろ」 「もっとだ。もっと頑張る」 俺を抱きしめる腕の強さが増した。それと同時に愛おしさも増していく。 「和臣なら大丈夫だよ」 「陽斗、もっと言って」 「大丈夫」 「もっと」 ねだるような言葉を紡ぎだすやり取りに、和臣に甘えられているんだと気付いたときには嬉しさで自分の顔が熱くなったのを感じた。 そして恐る恐る和臣の背中に手を回す。 この手に力を入れてもいいんだ……って思ったらまた胸がいっぱいになるような変な気分だ。 全てが手探りで、まだどうすればいいのかもわからないけれど、ただ和臣が好きで力になってやりたい。 そっと触れてゆっくりと力を込めてみると、それ以上の力で抱きしめ返されて苦しくなった。 和臣の力になれるなら、これ以上嬉しいことなんてない。 「大丈夫。和臣なら大丈夫だよ」 「うん」 「大丈夫」 「ありがと」 落ち着いた優しい声が耳に響き、むず痒いけど素直に嬉しかった。 「ねぇ、陽斗。ファーストキスさ。俺の為に取っといてくれたの?」

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