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偏愛ロジック 4

久しぶりに呼吸が出来たみたいに気持ちよくて遠くを眺めていると、突然後ろから話しかけられた。 「不良少年」 びっくりして振り向いてみるも、どこにも人影はなくて、きょろきょろしていると「こっちだよ」とまた声がした。 声のする方向を見ると、屋上にあるタンクにかけられた梯子から同じ制服を着た男が降りてきた。 校章の色から1つ上の先輩だとわかる。 背は同じくらいだったがどちらかといえば華奢で、漆黒のサラサラとした髪がやや目にかかり表情がはっきりとわかりにくかったけど、整った顔つきだというのはよくわかった。 「不良じゃないです。開いてたから入っただけです」 「後輩のくせに口答えするんだ。ナマイキ」 近くで見ると、クスクスと笑いながら言う割にどこか寂しそうな目をしているのが印象的で、それが思春期のオレからすればひどく大人っぽく見えたんだ。

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