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偏愛ロジック 7

次の日にまた屋上に行くと先輩はそこにいた。 「どうしたの? 昨日はあんなに怒ってたのに」 「怒ってないです。ショックだっただけで……ごめんなさい」 「俺の方こそごめんね。でも、俺は人が持ち合わせている感情ってものが壊れてるんだろうね」 「え?」 心配そうに駆け寄った俺の肩に触れると、先輩は柔らかく笑った。 こうして笑えるのに本当に何も感じないのだろうか。 「俺は人として欠陥だらけなんだよ」 こんなに優しく微笑んでいるのに、そんな先輩から出てきたのは悲しい言葉だった。 「そんなことないよ。先輩の話はいつも凄いと思う」 「そんなこと言ってくれるのは、河北だけだよ」 「先輩は凄いよ。人が考え付かないようなことを考えられる凄い人だ」 「ありがとう」 そう微笑むくせにやっぱり寂しそうで、俺の瞳に涙がたまってくる。 自分は何もできないちっぽけな存在だと自覚して、悔しくてしょうがないからだ。 「なんで河北が泣くんだよ」 「先輩が悲しそうな顔してるから」 「ほんと、変な奴だな」 「お願いだから、自分のことを悪く言わないで」 「ごめん。ごめんね」 そう柔らかい声で謝ると先輩はオレの涙を拭いながら髪をすいた。

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