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偏愛ロジック 8

でも先輩は、そう口では謝っていたけど結局考えを変えることはしなかった。 あの頃は自分が何かできると思っていた。 自分なら先輩の為に何か出来るはずだと根拠のない自信があって、先輩が変わるきっかけを自分が与えることができると、心のどこかでそう思っていた。 でも、大人になった今だからわかる。 先輩は周りの誰よりも早く大人になりすぎて、それが余計に心の闇を深くしていたんだと。 当時の俺はまだまだ子供でそのことに気付けずにいた。 そして少しでも多く時間を共有すれば先輩を孤独の中から助けられると思いこんでいた。 そして、それからも多くの時間を一緒に過ごし、冬を迎える。 寒くなってきても先輩はいつも屋上にいて、一緒に過ごせば過ごすほどに、オレの恋心は大きくなっていた。 「先輩も、もうすぐ卒業だね」 「……そうだな」 「そう思うと寂しいな」 2月に入ってから、先輩の口数が減った。 そして前よりも空を眺めながら物思いにふける時間が増えたように見えて、卒業が近付きさすがの先輩も寂しさとかを感じているのかなと安易に思っていた。 「前から聞こうと思ってたんだけど、先輩の誕生日っていつ?」 すると先輩は少し沈黙した後、ぼそっと呟くように言った。 「3月2日」 「え、もうすぐじゃん。ってことは、先輩も今は14歳だったんだ。一緒じゃん」 「早生まれだから一緒って表現はおかしいよ」 「でも、嬉しい」

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