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偏愛ロジック 9
てっきりもう15歳になっているとばかり思っていた先輩が、まだオレと同じ14歳だったというだけのことでニコニコと笑っていると、呆れたように先輩も微笑んだ。
「それだけのことがそんなに嬉しいか?」
「嬉しいよ」
すると先輩はオレの目をじっと見つめながら聞いてきた。
「河北ってさ、俺のこと好きなの?」
「……え」
思いもしないところを突かれ言葉に詰まる。
普通にしてないとおかしく思われてしまうのに、何も言葉が見つからない。
「好きなの? 恋愛感情で」
もう一度聞いてくる先輩に好きですって言ったらどうなる?
気持ち悪がられてしまうだろうか。
否定しなきゃと思っていたのに口から出た言葉は。
「……好きです」
素直な気持ちだった。
「そっか」
それだけ言うと先輩は目を細め、また空を見上げた。
「気持ち悪くないんですか?」
「気持ち悪くなんかないよ。物好きだなとは思うけど」
「おかしくない? オレ、男だよ」
「それをお前が言うの?」
そう言って先輩は今まで見た中で一番笑ったと思う。
それにつられてオレも笑ってしまって、これで少しは先輩も楽しいって感情を持ってくれたかなって思ってた。
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