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偏愛ロジック 12
すると、先輩はオレの様子を見ながら笑っていた。
「お前ならできそうだな」
「やれるよ。一緒にいれば世界は終わらないし、もっと色鮮やかな世界にしてみせる」
「色鮮やかな世界か。どんなだろうな?」
「だから、オレが見せるって! な!」
子供だったオレは憧れていた人がずっと変わらずに抱えていた色のない世界に、オレにだけは色があると言われて、まるでこの人の全てを変えられたような気がして有頂天になっていた。
そして、これからもそうやって一つひとつ変えていけるって信じて疑わなかった。
でも浮かれていたオレは、気付かなかったんだ。
先輩はオレなら出来そうだとは言ったけど、見せて欲しいとは言わなかったのに……。
──次の日、本当に先輩はいなくなった。
屋上からだけでなく、この世界のどこからも。
15歳の誕生日。先輩は自ら世界を終わらせたのだ。
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