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偏愛ロジック 13

─────… 「オレには色があるって言ったじゃん」 あれから何年経っても、屋上に来るたびに問いかけてしまう。 先輩の悩みのような話を直接聞いたことはなかったけど、時間とともに、そして自分が成長するにしたがって先輩が抱えていた闇の深さは果てしなかったのだろうと想像した。 同世代の人はもちろん、周りの大人達でさえ理解するのが難しい思考を持っていた。 さぞかし生き辛かっただろうと思う。 だからと言って先輩の選択が正しかったとは思わないけど、先輩はあの日これは前から決めていたと言っていた。 自分で15歳までと区切りをつけて旅立ってしまったんだ。 陽斗に出会ったとき、そんな先輩の姿を重ねてしまったのかな……。 煙を吹き出し、ポケットから携帯灰皿を出して火を消した。 そろそろ戻ろうかと、携帯灰皿をポケットにしまうと、突然後ろから声がかかる。 「あの! か、か、か、河北さん!!」 いきなりの大きな声にびっくりして振り向くと全く見覚えのない、白衣の男が立っていた。 よれよれの白衣の中は色褪せた紺色のパーカーに濃紺のジーンズを履いて、ぼさぼさ頭に黒縁の眼鏡をかけている。 うちの会社の研究員か?

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