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偏愛ロジック 14
「何か用?」
「あ、あの。おれ、研究所の真壁 と言いますが……あ、あの。は、話すの初めてなんですが……えっと」
何、すっげー鈍そうなの来たんだけど。
いきなりどもり出す始末で呆然としてると顔を赤らめた真壁が焦ったように話し出した。
「あ、あの。た、たばこ吸いすぎは良くないです。さ、最近。疲れてるみたいだし」
「なんでオレのこと知ってんの?」
「入社式でみて、か、かっこいいなって……お、お、お、思ってました」
どもる真壁はおろおろしながら白衣をぎゅっと握ったり、たまに顔を上げてはオレと目が合うなり顔を伏せたりしている。
少し、落ち着けと思う。
「おれ、か、河北さんの1つ下なんです」
「そうなんだ」
「さ、最近、何かあったんですか……げ、元気ないですけど」
「なんでそんな事もわかんの? オレのストーカーなの?」
すると真壁は焦ったようにぶんぶんと手を振った。
いちいちリアクションがオーバー過ぎて少し笑える。
まぁ、全然タイプじゃないんだけど。
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