そんなことを思っていると真壁は白衣のポケットをごそごそして、何かを俺に渡してきた。 「ミントキャンディー？」 「た、たばこは、体に、わ、悪いので」 だからってこれ舐めろって言うのかよ。 受けとる時に指が触れると真壁は顔を赤らめた。 つか、この年にもなって反応がうぶだなと思うと、またからかってやりたくなった。 「何？ オレのこと好きなの？」 「え、いや…あ、あの……えっと……はい。好きです」 「それは恋愛感情で？」 そう尋ねると真壁は緊張した面持ちで俯きながら静かに言った。 「……はい、たぶん」 「認めるんだ」 すると、はっとした表情をして途端に慌て始める。 「いや違います、いや違わないです」 「忙しい奴だな」 クスッと笑うオレに真壁はおずおずと聞いてきた。 「……気持ち悪くないんですか？ おれ、男ですけど」 「それはお前次第なんじゃないの？」 にやりと笑うとまた真壁は耳まで赤くしながら目を白黒させていて、それがまた可笑しくて。 よくもまぁころころと表情が変わるものだ。 相変わらずもじもじしている真壁を見ていると思わずクスッと笑ってしまった。 「何？ オレは飴のお礼に飲みにでも誘えばいいの？」 「え、えぇ！ ほ、ほんとですか」 今度は大声を上げて目をしばたたかせていているし。