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純情オレンジ 13

「じゃあ、どうして避けるの?」 「避けてない」 「いつも避けられてるように思ってた。……やっぱ最初にしたの……よくなかった?」 「…………良かったって言ったじゃん」 陽斗は一瞬口ごもると目を伏せた。 「じゃあ、どうして?」 すると困ったような表情をして俯くと、本当に小さな声で呟くように言った。 「……愛想を尽かされたくないのは……俺の方だよ」 その瞬間。一瞬だけビクッとした陽斗は、うっかり本音を吐露してしまったのか、言い終わると同時に俺の服を掴んでいた手に力が入った。 そして小さな声のまま、ぼそぼそと続けたんだ。 「飽きられたくないのも、愛想尽かされたくないのも俺の方。和臣を失いたくないのも俺の方だよ」 そう言って陽斗はまた寝返りをうち俺に背を向ける。 その背中は寂しそうに丸くなって見えた。 「じゃあ、どうして避けるわけ?」 「…………だから、避けてない」 「じゃあ、触っていいの?」 「…………」 少し空いた間に、やはり何かを感じる。 「俺、ずっと陽斗に頼ってばっかりだったし、こういう無神経なとこ直そうって思ってるから、気付いてないところがあったら言ってほしい」 「……和臣はそのままでいい」 後ろから陽斗のことを抱きすくめると、わずかに震えているように思えた。 「陽斗、頼むから思ってることがあるなら言って」 「……和臣は悪くないんだ。俺が勝手に臆病になってるだけだから」

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