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純情オレンジ 14

すると陽斗は手で自分の顔を覆い、大きく深呼吸するように息を吸ってゆっくり吐き出した。 「……男だって、改めて認識されるのが怖かった」 「どういう意味?」 「和臣のことを信用してないとかそう言う問題じゃないんだ。最初に言っとくけど……それは、誤解しないで」 「わ、わかった」 陽斗はひどく緊張していて息をするのもやっとというような感じで、その緊張感が俺にも連鎖する。 そして陽斗はゆっくりと話し始めた。 「俺、和臣と一緒に居れることが幸せすぎて怖いくらいで……でも、慣れてなくて。どうしても不安になるんだ。こんなに幸せだったことが今までになかったから」 小刻みに震えながら陽斗はぽつりぽつりと話を続けた。 「やっぱり男は無理だって言われたらどうしようって、どうしても考えてしまって。不安になってしまう時がある」 「俺が不安にさせることした?」 陽斗はかぶりを振った。 「和臣はそんなことしてない。ただ、俺が勝手に感じてるだけ。来るか来ないかもわからない日のことを考えて、落ち込んで馬鹿みたいだろ」 「それが避けてた理由?」 「……和臣は今、大事な時期で物凄く忙しいのに。本当はこんな風に心配すらかけさせたくなかったのに……ごめん」 「なんで陽斗が謝るんだよ」 陽斗はいつだって俺が居心地よく過ごせるようにしてくれる。 俺のことを優先してくれている分、きっと自分のことを押し込めている。 まだ俺には全てを見せてはくれないのか?

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