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純情オレンジ 32
もっと恥ずかしいこといっぱいしたんだけど、一緒に風呂に入るのがそんなにも恥ずかしいことなのか?
そんなことを考えながら、またふらふらとしたまま陽斗が風呂から上がって来たので俺もシャワーを貸してもらう。
そしてシャワーを浴びて、今夜からはやっと陽斗を抱き締めながら寝られるってワクワクしながら部屋に戻ると、なぜか陽斗は部屋の隅っこで小さく膝を抱えて座っていた。
「え、どうした?」
俺の声に反応して陽斗が俺に背を向けたので、後ろから抱きしめるようにして陽斗の肩に顎を乗せる。
「どうしたの?」
「別に」
「別にって態度じゃないよね? もしかしてまた恥ずかしくなったの?」
すると耳まで赤くしてさらに陽斗が俯いた。
さっきまであんなに乱れてたのに、こういう反応するのって純情っぽくて可愛いよな。
「陽斗ってさ、恥ずかしがる基準がちょっとずれてるよね」
するとゆっくりと陽斗が振り返る。
その仕草はなんとなく上目遣いみたいになって可愛くも思えた。
「和臣は恥ずかしくならねぇの?」
「恥ずかしいより、恥ずかしがってる恋人の新鮮な反応が見れて満足感の方が大きい」
「なんだよそれ」
そう言いながら陽斗は膝を抱えながら顔を伏せていて。
今まで見てきた親友だった陽斗ももちろん好きだけど、こんな姿を見るたびに幸福感で心が暖かくなっていくのってやっぱり好きだからだよな。
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