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第29話 気持ち良すぎて……
「わっ!?」
「信一、今日は社長、帰って来るの何時くらい?」
俺の耳元のすぐ近くで囁き聞いて来る剣。少しくすぐったい。
「レ、レイナさんと出かけたときはいつも帰って来るのは遅い……っあ……」
語尾が跳ね上がってしまったのは、剣が俺の耳朶を甘噛みして来たから。
「ふふ……耳、弱いんだ……信一、ほんとに可愛いね……」
甘い言葉とともに耳朶を舐められると、俺の下腹部がジン……と疼いた。
「やめ……やめ……あっ……」
耳への愛撫を続けながら剣が手を俺の服の裾から侵入させる。
乳首をキュッと摘ままれて、首が大きくのけ反った。
唇からは自分のものではないような切なく甘い声が漏れた。
でも、まだまだ行為は始まったばかりで。
俺の耳朶にチュッと音を立ててキスをすると、剣の唇は耳の後ろからうなじ、うなじから首筋、鎖骨へと素肌を這いまわっていく……時々強く吸い上げることを繰り返しながら。
いつの間にか衣服は胸の上までたくし上げられ、露わになっている乳首に剣が吸い付く。
「っあ……」
声が甘く掠れる。
剣は胸元からちらりと顔を上げ、俺の方を上目遣いで見ると、艶やかに微笑んだ。
「この前はここまででおしまいにしたけど、今日はやめないよ……っていうかやめられない……」
熱い囁きと共に胸の小さな突起を舐められ、噛まれ、好き放題されて、俺はもう溶けちゃいそうだった。
「剣……剣……も、やめ……」
「……苦しい? 信一。……ああ、苦しそうだね、ここ……」
剣の手がそろそろと体のラインに沿って下の方へ降りて来たかと思うと、俺のジーンズのボタンを外し、ジッパーを降ろして……。
「やだっ……やっ……ああっ……」
剣が下着の中に手を入れ、性器に直に触った瞬間、俺はイッてしまった。
剣は俺が彼の手の中に放ったものを、見せつけるようにして紅い舌で舐める。
「け、剣っ、そ、そんなものっ、な、舐めるなよっ……」
俺が恥ずかしさのあまり叫んでも、剣は綺麗な顔で微笑むばかりだ。
そして俺が放ったものを全て舐めとってしまうと、剣は信じられない行動に出た。
俺の性器を口に含んだのだ。
「やっ……やだぁ! やめっ……」
俺は力の入らない手で、必死に剣の頭をそこから離そうとした。
でも剣はそれを許さず俺の抵抗をたやすく封じ込めると、性器を舐めたり、吸ったり、喉の奥で締め付けたりを繰り返す。
あまりの快感に、抵抗は徐々に鈍いものになって行く。
……気持ち良すぎて怖い……どうにかなっちゃいそうだ……。
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