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第31話 交わり
「だって、剣の……」
「……ああ……そりゃ好きな子の感じてる姿見たり、キス交わしたりしたらこうなって当たり前だろ。俺だって男なんだから」
剣はそんなふうに言うけれども、俺にとって剣は大人で、もっと余裕があるものだと思っていたから。
俺なんかとの行為でこんなふうになってくれるなんてすっごく嬉しいっていうか、誇らしいっていうか、不思議っていうか。
俺の心の中の声が聞こえたかのように剣が苦笑して見せる。
「信一、俺、結構ギリギリだよ? もう余裕なんて全くなくて……こんなになるの、おまえが初めてで、なんかヤバい」
「え?」
「俺、信一の全てが知りたい……最後までしていいか?」
「……剣……」
本音を言うとちょっぴり怖い思いもあったけど。
でも俺も剣の全部を自分のものにしたくて、だから小さくうなずいた。
剣が優しく俺の髪を撫でながら、俺が身に着けているものを全て取り去ってしまう。
「信一……好きだよ……愛してる」
そして、恋愛ドラマのような甘い言葉を紡いでくれる。夢見心地の俺。
「泣くなよ……信一……」
剣に困ったように言われ、自分が泣いていることに気づく。
俺の頬を伝う涙にそっと触れながら、剣が聞いて来る。
「怖い?」
その瞳はとってもとっても綺麗で、優しい色をしていて。
「……怖くない……」
俺はほんの少し強がってそう答えた。
剣は俺の頬へ触れていた手を口元へと移動してきて、唇の形を確かめるように指を這わしてから、優しく命令してくる。
「指、舐めて……?」
「……ん……」
俺は唇を開くと、剣の長くて綺麗な指を招き入れ、夢中になってしゃぶる。
太ももに当たっている剣の雄がますます大きくなった。
……剣の、めっちゃ大きい。……最後までするっていうことは……これが、入って来るっていうことだよね……。
そんな想像をしていたら、既に二回イッたばかりだというのに、俺の性器もまた熱を持ち始める。
なんか恥ずい。
俺ってこんなにエッチだったんだ……いや、これは相手が剣だからで、それはきっと剣も分かってくれてるはず。
「信一……」
「ふぁ?」
甘く掠れた声で名前を呼ばれたけど、剣の指が俺の口内を淫らに掻きまわしているから、返事はうまく言葉になってくれない。
「おまえ、エロすぎ……。顔真っ赤にして俺の指しゃぶってる表情も、ここも……」
剣は言うと、昂ぶった雄を俺の勃起に擦りつけて来た。
「ひぁっ……」
強い快感が走り、俺は剣の指を噛んでしまった。
「……っ……」
痛みに小さく呻く剣。
「ふぁ、ふぉめん」
「だめ……も、我慢できない。信一、何もかもが可愛すぎ」
剣はようやく俺の口内から指を抜く。
綺麗な剣の指は俺の唾液でべちょべちょだ。
俺の涎で濡れた指を剣は自分も舐めて見せる。
剣が自らの指を舐める姿はとても色っぽくてやらしくて……。
俺が濡れた唇を拭うことも忘れてぽーっと剣に見惚れていると、
「信一……ちょっと我慢して、な」
そんな言葉とともに大きく脚を広げさせられた。
そして。
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