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第32話 交わり2
「やっ……」
俺はギュッと強く目をつむった。
痛みと異物感とともに剣の指が俺の隠された小さな孔へと挿入されたのだ。
「きっつ……信一、ちょっと体から力抜いて」
「っ……そんなっ……無理っ……」
初めての行為にどうしても体は強張ってしまう。
すると剣が俺の乳首に吸い付いた。
「あっ……」
乳首を愛される気持ち良さに少し体から力が抜け、混ざり合った二人の唾液の滑りを借りて指が内壁になじみ始める。
剣はゆっくりと指を出し入れしたり、中をぐいぐいと押してみたりを繰り返す。
「確か、この辺だと思うんだけど……」
そんなふうに言いながら剣がグイッとある場所を強く刺激した瞬間、俺の体が電気ショックでも浴びたかのようにびくりと跳ねた。
「やだぁっ……」
すごく、気持ち良かった。
何が起こったのか分からないままに俺は剣のスーツへと精液をまき散らしていた。
「ご、ごめ、ん……」
はあはあと整わない呼吸と快感の余韻に捕らわれながらも、俺は剣のスーツを汚してしまったことに必死に謝っていた。
仕立てのいい、剣によく似合うスーツをこともあろうに精液で汚してしまったというのに、剣はこれ以上はないくらいに甘く微笑んでいる。
「謝らなくていいよ? 信一が気持ち良くなってくれてほんと嬉しい……」
「でも」
「俺も不安だったんだよ? おまえがちゃんと気持ち良くなってくれるかなって」
「剣……」
俺は剣に抱きつき、泣きじゃくった。
優しく髪を撫でてくれる手。
「生意気なのにすっげー純情で、そういうところたまんなく好きだよ」
「……俺も、剣が……好き……。……だから」
「ん?」
「俺だけ、裸なんて嫌だから……剣……」
「信一……」
剣は俺のことを強く抱きしめたから、いったん体を離すと、スーツを脱ぎ始めた。
剣の裸はエロかった。
大人の男の色気に満ち溢れ、それでいてどこか繊細で。
そんなエロ過ぎる体の真ん中でそそり勃ってる剣の……。
恥ずかしさのあまり俺が目を逸らしたのと同時に剣が俺の体にむしゃぶりついて来た。
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