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第33話 交わり3
俺の体中を剣の唇が這い、あちこちに所有の印を刻まれる。
「……剣……剣……」
最初のうちは必死に声を殺していたのだが、耐え切れず零れた。
うわごとのように愛する人の名前を呼ぶ。
「信一……」
剣は優しく名前を呼び返してくれ、額に頬に鼻先に唇に、ふわりとキスをくれた。
そして、剣が俺の脚を持ち上げ、隠された場所へ雄があてがわれる。
「愛してるよ……」
小さい穴をギリギリまで広げて入って来る熱く硬く大きい塊。
「あ……あっ……剣っ……」
さすがに痛くて涙が零れた。
剣が涙に濡れる目元にキスをくれる。
根元まで挿入し終えるまで随分長い時間がかかった。
完全に一つに繋がったときには二人とも汗だくだった。
「……大丈夫? 信一」
「……ん……」
荒い呼吸の元俺は答える。
「痛い?」
「ううん」
痛みはもうほとんど感じない。
ただ繋がっている部分が熱くて。
大好きな人と一人になっている幸せが心を満たしていて。
「……剣は? 気持ちいい?」
剣もまた荒い呼吸とともに答えてくれる。
「ああ……すっごく、気持ちいい」
そのまま剣はしばらくジッとしていてくれたが、やがて、「我慢できない……」という言葉とともにゆっくりと動き始めた。
「あっ……剣っ……ああっ……」
剣の鋭い雄でさっき感じた場所を嫌って言うほど突かれて、たまらないほど気持ち良かった。
わずかに残った痛みさえ快感を助長するものに変わって……。
「信一……信……」
段々早く激しくなる動き。
ガクガクと揺れる視界。
剣の感じ入った声が耳朶まで犯して来る。
「あっ……も、だめ……だめ……剣っ……」
俺はもう何回イッたかも分からなかった。
剣に強くしがみついたまま快感に支配されて。
「……信一……っ……」
剣が一際大きく腰を進めて来たかと思うと俺の体の奥深くに熱いものが迸った。
……ああ……剣が俺の中でイッてくれたんだ……。
意識は徐々に朦朧となり、剣の唇が優しく俺にキスしてくれたのを感じたのを最後に真っ白に途絶えた。
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