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第46話 戦いの前

 翌日、高校へ行くと、かまぼこ目をした義に思い切りひやかされた。 「昨日は一日休んで、よっぽど日曜のデートが激しかったんだろうねぇ……」 「な、何言ってるんだよ。昨日俺は風邪気味だったから休んだだけで」 「別に俺相手に嘘つかなくてもいいって。その首筋のキスマークが何よりの証拠だよ」  俺は手でバッと首筋を押さえた。 「やっぱ、ヤリすぎで休んだんじゃん。キスマークなんかなくても、分かるよ。だって、信一って以前から綺麗だったけど、なんかガキっぽいって言うか。この色気溢れる俺様と並んだら、まーったく色気のいの字もなかったのに、今じゃ色気駄々洩れって感じになったもんな」 「…………」  俺は恥ずかしくて返す言葉が見つからない。 「それに信一、なんかケツ丸くなったんじゃね? 剣さんに触られすぎてる証拠だよな。ついでに肌も一層綺麗になったし、中出しされてんだろ」 「義っ!」 「うわ。真っ赤。完全図星突いちゃった俺」 「もう知らねー!」  俺は義を無視することに決めた。 「中出しされて善がってる信一って想像するだけでエロいよな~」  俺は義の頭をはたいた。 「勝手に想像すんじゃねぇ!!」  俺はそのまま義を置き去りに次の授業である音楽室に行こうとした。  我が校の音楽室は新校舎の方にあって――ちなみに教室や職員室は旧校舎にある――グランドを横切っていかなければいけない。  そして、そのとき俺は校門の前に立っている人影に気づいた。  ……誰かの保護者だろうか? それとも不審者?  よく見ようと校門の方に近寄っていき、俺は愕然となった。  そこには剣の元カノで今はストーカーと化したコトミさんが立っていたからだ。

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