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第6話

「君はさ、彼女とかいないの?」 傍でニコニココーヒーを飲む彼に聞いた。 「彼女、いるよ。」 今日は頑張って12:00に起きて彼とランチをとっている。 湊くんの姿ではなく、自分のいつもの格好でだ。 こんな真っ昼間に外出するのは久しぶりで人の多さに驚く。 「彼女とデートどこ行くの?」 頬杖をついて外を眺めながら聞いた。 「シロ、気になる?」 随分親しくなったが彼と性交渉はしてないよ。 話し相手になって親しくなっただけ。 「気にならないよ、全くね。ただ話のネタがないから聞いただけだよ。」 オレはそう言って外を眺め続ける。 なかなか彼女と別れない依冬。 「ねぇ、オレと寝たら彼女と別れる?」 視線を彼に戻して唐突な話を振る。 依冬は驚いた顔をしたけど、困った顔をしながら言う。 「シロと寝ても別れない。」 ふぅん…と言ってまた外を見た。 そんなに大切ならそのまま付き合えばいいと普通に思った。狂気とは違う穏やかで普通のこと。 お昼って気持ちいいな… オレの携帯が鳴った。 久しぶりの非通知がこんなタイミングで来た。 オレは依冬の前で電話に出た。 「シロくん、今どこにいるの?」 お前の息子といるよ… 「今から迎えを向かわすから1度今後の相談をしよう。」 オレは適当に答えて電話を切った。 「悪い、用事が出来たから帰るわ」 そう言って席を立つオレの手を依冬はギュッと握ってオレを見上げ真顔になって言う。 「彼女と別れたらもうシロと会えないんでしょ?」 …ん? 「だから俺、絶対彼女と別れないよ。」 「手離して。意味わかんない…。」 オレは依冬の手を解いて、またねと言って店を出た。 焦る… …あいつ、いつから? どこまで、知ってるの? 体から汗が出る。 手玉に取っていたと思ったのに…逆に手玉にとられていたみたいだ… 急に足に力が入らなくなって震える。 頭の中に兄貴の顔が浮かぶ… 「シロ、可哀想…」 ずっと忘れていた兄貴の声が頭の中に響く。 フラフラ歩いて人にぶつかる… ビルにもたれてしゃがみ込む。 顔を覆って耐える。 あの時みたいに動悸が止まらない。 「シロくん…どうしたの、具合悪いの?」 オレの背中をさすって誰かの声がする。 「シロくん…?シロくん?」 …息が浅くなって目の前が真っ白になる。 まただ、トラウマの発作… 無くなったと思ったのに… オレは誰かに倒れ込む様に意識を失った。 兄貴が死んでからも幻影に悩まされてよく発作を起こした。 支配されて全てあいつ基準だったオレに突然ポッカリと空いた空間。これを埋める様に頭の中で死んだはずの兄貴の声がオレを攻めたり慰めたりする。オレは拠り所みたいにその声に従う…あんなに嫌だったのにだ。そんな自分と離別するために一人で上京して無理やり環境を変えたが、結局オレは支配する側では無く、される側なんだ…。 「にいちゃん…おなかすいた…」 ハッと目を覚ました。 知らない天井…ここはどこ? オレは身を起こして周りを見渡した。 随分上等なソファに寝ていた様だ。 「シロくん…気がついた?」 あぁ…向井さんか… 「夜型の人がおひさまの下を歩くからクラクラしちゃったのかな?」 そう言ってオレの隣に座るとそっとオレの頬を包んで持ち上げて顔を覗く。 「泣いてるね、どうして?」 そんな風に優しく言ってもあんたの目は兄貴と同じだ。弱ったオレを嬉々とした目で見ている。 「怖い過去でも思い出したの?」 何か知ってる様な口ぶりでオレの傷をえぐる。 オレの顔に近づいて軽くキスして離れるとソファに膝を乗せてオレに覆いかぶさり押し倒し深くキスしてきた。 舌が絡んで吸い上げられて、痺れる… 体が固まって動けない。まるで捕食者に見つかったネズミの様だ…。 「怖いの?可哀想に…」 オレの頬を両手で包み、親指で流れる涙を拭いながら向井さんは見つめてそう言った。 体が震える…涙が溢れる オレの服の中に手を這わせて体を弄る。 服を捲り上げオレの体に唇をつけて舐める。 …兄ちゃん…やめて 「あ、あぁ…にいちゃん…やだ、やめて…」 顔を覆って泣く。怖いのに…欲しい そんなオレを見てお前が言うことなんて想像できる。 兄貴と同じだ… 「たまんない…かわいい」 そう言って向井さんはオレのズボンを下げると恐怖で縮こまったオレのモノを手で扱きながら体に舌を這わせる。 「…んっ!はぁ…んんっ、んっ、んん…」 あの時の快感が蘇りオレは体を仰け反らせて硬直させる。 「あ、あぁっ‼︎ や…やぁだぁ‼︎んんっ…んっ!」 向井さんはオレの仰け反る腰に腕を入れてオレの乳首を舐めて転がしながらオレのモノを扱き続ける。この快感…すごく気持ちいい…イキそう… オレの腰がビクビク震えてイキそうになると、向井さんはオレのモノを口に咥えて扱いた。 「あ…!あん…あぁん…にいちゃん、イッちゃう…!」 オレのモノからドクドクッと吐き出された精液を飲み込み、根元まで咥えこむ。 オレのモノはまだ脈打つ様にビクついてるのに、向井さんは口の中で舌を絡ませて扱き始める。 「あ…!や、やらぁ!んんぁっ…!はぁはぁ…」 腰がいやらしく動いてしまう。もっと気持ちよくなりたいと体が勝手に求めてしまう。 「シロくん、めちゃめちゃエロいね…オレこんなエッチな子抱くの初めてだよ…?」 向井さんはそう言うとオレの片足をソファの背に掛けて足を広げさせ、オレの腰の下に自分の足を入れて尻を持ち上げた。 オレの口に指を入れて舌を撫でまわし指を濡らすと、そのままオレの穴に押し当てて挿れてきた。 「んんっ!はぁん…あぁん、んんっ、やらぁ…!」 オレの反応を楽しそうに見ながらオレのモノを扱いて舐める。 こんな快感…我慢できない。 「シロくん…すごく気持ちよさそうだね?ねぇ、俺も気持ちよくなっても良い?」 そう言って向井さんは自分のズボンを下げて大きくなったモノを出した。 …オレ、兄貴以外の人初めてだ… オレの穴にグッと押し付け、中にゆっくり入ってくる。硬くて太い塊。 お腹に圧を感じて苦しい… 向井さんは短く呻くと根本まで挿入してオレの中の圧を感じる様に腰をうねらせる。 「ん…きもちい…」 うっとりとした顔でオレの頬を撫でるとそう言って腰を緩く動かし始める。 「あっ、んぁっ…あぁ、んんっ…はぁ、んっ…」 揺すられるたびに快感が押し寄せて喘ぐ。焦点の合わない虚な目で宙を見ながら下半身に感じる快感が頭まで昇るのを待ってる。 もっと…もっと 「こんなにエッチが好きなのに…どうして我慢してたの?もっと男としたかったでしょ?ステージに立って焦らすのもかわいいけど、君ならあそこの客みんな満足させられるよ?」 …あぁ、きもちいい…すごく感じる 「はぁ、んっ…ダメ…イキそう…んっ」 体を仰け反らして顎が上がる。口からよだれが垂れて頬に垂れる。両手を上に上げて顔を覆って髪を引っ掴む。こうでもしないと意識が飛んじゃいそうなくらいきもちいい…! 「あっ!あぁっ!はぁっ…!イクっ!イッちゃう!!」 オレの体が激しく波打ってイクと、オレの中で向井さんのモノもドクンと暴れてイッた。 「シロくん…はぁはぁ…ヤバい…君すごく、きもち良くて…もっかいしたくなっちゃうよ…」 向井さんはオレの顔を覗く様に覆いかぶさると、頭の上に投げ出されたオレの手を掴んで押し付け腰を激しく動かした。 「あ…あぁ、あぁあっ!はぁん、あ、あっ…あぁあっ…ダメ、またイッちゃうから…すぐイッちゃうからぁ…ぁあん、んっ、んんっ!」 向井さんが腰を振るとソファが揺れる。ガンガンと奥に突き上げられ、自分の精液まみれのモノをヌチュヌチュ言わせながら扱かれる。 「だめ、だめぇ…!イッちゃう~~っ!」 オレはあっという間にイッてしまいドクドクと温かいものが溢れて出てるのを感じた。 「俺がイクまで我慢しないと…ダメでしょ?」 オレの顔を覗きながら強い口調で叱責され、震えるオレの唇を舌で広げ中に入ってくる。 …あたまおかしくなる しつこいくらい長く舌を絡ませキスして、腰をねちっこく動かす。口から漏れる息がどんどん荒くなってまたオレのモノは興奮して勃った。 「今度は俺がいいよって言うまで我慢するんだよ?」 そう言って俺の頭を押さえてまた激しく突き上げてきた。 …これすごくきもちい… 向井さんの顔がすぐ前にあってどんどん歪んでいくのが分かる。たまに薄目を開けてオレを見てくる…オレは気持ち良くて顔を仰け反らせたいのに頭を掴まれてて出来なくて、これだと快感が逃げて行かない気がしてどんどん熱がこもる。 早くイキたいのに… 「ね、もうイキたい…!」 オレは向井さんの背中をバンバン叩いて訴える。 「ん…まだだぁめ。」 笑いながらそう言ってオレの口に軽くキスした。 「んんっ、ふぁ…ぁあん、んっ…、ぁあ、いい…んっ、もっと、もっとして…ん、はぁ…あぁ…」 籠もった熱でバカになったみたいに喘ぐ。 触れられてるだけで気持ちよく感じて体中から汗が出る。 「我慢してるのもすごくエッチだね」 そう言ってオレを撫で、ずっと腰を動かすこの人はタフだと思った…。 「あぁ、んっ…はぁ、はぁ、んん…ふっ…ぁあ!ね、もうイキたい…イキたいの…」 オレは向井さんの背中に置いた手の指に力を入れて彼の背中を掻き毟った。 「んふ、お願いして?」 含み笑いをして挑発的に言うこの男… 兄貴にそっくりで気が狂いそうになる… 「んぁっ…おねがい…も、イキたいの…イカせて…ね?イカせてよ…あっ、ぁあ…ん」 向井さんはオレの耳元に口を寄せて囁く 「お兄ちゃんのおちんちんで気持ち良くして!でしょ?」 その言葉に激しく反応して腰が跳ねてイキそうなのを必死に我慢する。 目の前の光景があの幼かった日の光景に変わる。 暗い部屋の中で大きな兄貴の体のシルエットがオレを覆う。どんだけ叫んでも誰も助けにこない…。怖い…。そんな中、優しく頭を撫でるのは1番酷い事をする奴で、誰も助けにこない絶望の中だとそんな邪な優しさだけで自分がまるでその人の特別になった様な変な幸福感を感じた。 オレにだけ特別優しい兄ちゃん… …間違ってるだろ。 言いたくない…言いたくないのに…すごく言いたい自分がいる…ずっと言いたかった 「ん…にぃちゃんの…おちんちんで、シロを…きもちよく、してぇ…んっ、早く…んっ、んん」 オレは向井さんの背中にしがみき涙声で言った。 その瞬間向井さんの体に鳥肌が立ちブルっと身震いすると、オレの中のあの人のモノがドクドク脈打ってイッた。オレはその吐き出された精液の温かさと脈打つモノに刺激され腰を震わせてイッてしまった。 「はぁはぁ…シロ、きもちよかった?」 尋ねる向井さんを無視してオレはぼんやりと天井を見る。まだ引かない快感の余韻を感じてあの時と同じ様に天井を見つめた。 あれ…兄ちゃんって…オレを無理やり抱いてたっけ…

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