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第12話

お通夜に出席する為、智の実家のある福島まで来た。 新幹線なんて久しぶりに乗ったから着くまで緊張してしまった。 智のお父さんと電話した時、駅まで迎えに来てくれると言うのでお言葉に甘えた。 「シロさん、はるばるありがとう。疲れたでしょ?」 智のお母さんがオレを見つけて朗らかに笑いかけてくれた。あったかい…お母さんって感じの人、智に似てる。お父さんは車で待っているとのことなので一緒に向かった。 「早めに仏滅があって良かった。タイミングが悪いとドライアイスを交換しなきゃいけないくらい火葬まで時間がかかるんだよ…」 気丈に努めてそう話す。よく言うだろ…葬式って敢えて親族を忙しくさせて考え込む時間を紛らわせるんだって、はたと落ち着いた頃ゆっくり偲ぶことが出来る様に。こんなの詭弁だけどな… 「シロくん、こっちだよ~」 智のお父さんが車の窓を開けて手を振る。 こんな素晴らしい家族が居るってどんな気持ちだろう…ねぇ、智の家族素敵だね。 「うちは本家だから親戚いっぱい来るけど、まぁ気にしないで。ほら、シロくん背がすらっとしてて目立つからなんやかんや言う人も居るんだ…智もそう言うのが嫌だったんだろうな…」 オレのことを心配してお父さんが言った。 「まぁ珍しいでしょうね…僕は慣れているので平気です。」 「こんなイケメンいないからおばちゃんたちの取り合いになるよ~」 笑いながらお母さんがそう言ってオレの肩をバンバン叩いた。 しばらく田園風景が続いて、垣根の立派な家に着いた。 智…お前ん家、凄い立派だな… 車を降りて案内される。立派な玄関、向こうには長い縁側が見えて柿みたいなものがいくつも連なって干してある。 「凄い…立派なお家ですね」 オレがそう言うとお父さんはへへっと笑いながら言った。 「土地ばかり広い田舎の農家だよ…あいつの事も理解せず、農家を継ぐことを強要して追い詰めちまう…どうしようもねえ農家だ…」 お父さんのせいじゃないよ…オレは俯いて付いていく。古いのに艶がある床を通り、智の眠る部屋に通された。 「え、カッコいい…」 智の横に座る女性に会釈して挨拶する。 「どうも、智の友達のシロです。」 そして智の頭を触って顔を覗く。 「智、お父さんとお母さんめちゃ優しいよ。お前の家族素敵だな。」 そう言ってポンポン頭を触った。 「ホストですか?」 「僕ですか?違いますよ」 お父さんの忠告に従ってオレはこう言った。 「智の友達です。」 あぁ智明日焼かれちゃうんだ… 縁側に座って寒そうな池を見る。 鯉は凍らないのかな… 「あんた目立つね」 親戚のおばちゃんがオレに声をかける。 オレはにっこり笑ってそう?と答える。 「ここは雪降るの?」 オレが聞くとニカっと笑いながら答えた。 「盆地だから降る時はドカッと降って、なかなか解けねぇ、カチカチのアイスバーンになるから冬はチェーンの音があちこちでするよ?」 へぇ~と声を上げて驚くと気に入られた様でちょっと手伝えと手を引っ張られ熟女が集まる部屋に連れてこられた。 「あら、イケメン」 「智ちゃんのお友達、イケメン」 「かわいい…何歳?」 矢継ぎ早に質問攻めに合い緊張した。しかもボディタッチが激しくて身の危険を感じる。 でもこんな親戚が沢山いるのって楽しいんだろうな…とぼんやり思った。 「あんたんとこの長女もそろそろいい年なんだからこの子と結婚しちまいな~」 そんな暴言をうまく交わしながら葬式の支度を手伝った。 しばらくするとお坊さんが来た。 智の遺体の前でお経をあげる。 今晩は蝋燭の日を絶やさず交代で智の傍にいる事になった。 夜ご飯をご馳走になってお風呂に入る。 立派な作りの家だなぁと上を見上げていると智のお父さんに声をかけられた。 「シロくん…智は楽しくやっていたかい?」 オレは一緒に買い物に行ったり、ご飯を食べたり仕事も普通ではないけどプロ意識を持ってやっていた事など、智の凄いところをお父さんに話した。 「あの子は本当にキラキラしていて屋上もはしゃいで走るし、弟の様に思っていました。」 うん、と頷くとお父さんは静かに言った。 「霊安室でシロくんが大泣きしたの見たらな、かっこつけてた自分がバカらしくなったんだ。あと、こんな人が側にいてくれて良かった!とも思った。」 お父さんの言葉が胸に突き刺さる。 「僕じゃ力不足でした…」 「店長さんに聞いたよ、智の家に寄ってくれたんだって?嬉しかった…心配してくれる人がいてくれて、俺は嬉しかったよ。」 ありがとう…の言葉がとても悲しい。 オレの線香の番は明け方に決まりそれまで眠ることにした。智の家族だけあってご飯の時は智に似てる人達に囲まれて面白かったな…。 オレも弟と似てるのかな… もう何年も会っていない弟、どうしてるのかな。 兄貴の葬儀の時、1番取り乱していた。 不思議だな…オレの記憶だと兄貴と弟の関係ってそんなになかった気がするのに… オレは兄貴が亡くなった日バイトしていたんだ。 オレが電話を取って病院に行くと、あの部屋にあんな感じで横になっていて、布を取ると寝ている様な顔なのに、紫に変色した首元が凄くグロテスクで…弟と母さんが泣き崩れていて…オレは…オレはどうしたっけ? 「シロくん?」 目を開けると目の前に女の人の顔があって驚いて起き上がった。 「もう、そんなビックリしなくても…かわいい、はぁ…次智の側、お願いしてもいい?」 オレはハイと返事して布団から出た。 智がいる部屋に入る。 少しの間2人っきりだな。 智の頬を触る。冷たい。 少し前、ステージで踊る智にチップを渡す時触れた唇に触れる。 智…お前あの人に何されたの? 死んじゃうくらい悲しかったの? お前がいなくなって悲しい人はやっぱり死んじゃうのかな…そしたらまた悲しくなった人が死んで…なんてくだらないことを考えていた。 ガタッと扉が開き誰か入ってくる。 オレは顔を見上げて確認する。 「あ…向井さん」 突然すぎて時間が止まる。 次の瞬間、怒りが込み上げて来てオレは向井さんに飛びかかった!! 「お前!智に何したんだよ…」 胸ぐらを掴んで押し殺す声で聞く。 向井さんはオレの髪を触って頭を撫でた。 「今はやめよう…」 そう言って智の傍に座った。 頭にくる…!なんだこいつは!よくも抜け抜けとここに来られたな…智を追い詰めておいて…よくも…! …オレも智を助けなかったのに… チッと舌打ちし顔を背けて座った。 お前なんか、お前なんか…! 朝が来て、葬儀社が智を棺に収める。 オレは智のお気に入りの曲を一緒に入れてもらった。そんな中、新しく入った背の高い男に熟女たちは夢中になっていた。 「智ちゃんの知り合いはイケメンばっかだね」 ガハハと笑うおばちゃんに笑顔で対応するのうまいよな…。 嘘つきだからか… 火葬場まで車で行く。 向井さんはレンタカーを借りて来たらしく熟女たちを乗せていた。オレは智のお父さんの車に乗った。 「あの人、良い人だね。シロくんも知り合い?」 智のお母さんが聞く。 うん…と返事をする。 火葬場に着いたら後は早かった。 炉に入れられて骨になるまで焼くんだ。 こんな悲しいことはないだろ。ちょっと前まで生きていた人なのに…出てくるときには骨になってしまうなんて…。 オレは外に出て焼かれて出る煙を見ていた。 智…ごめんなさい 「シロくん」 向井さんが声をかけて近づいてくる。 オレは振り返って彼に言った。 「オレ向井さんのこと好きだよ…」 虚な目で手を伸ばして彼を呼ぶ 「どうしたの?」 心配そうにオレを抱きしめる彼を強く抱きしめて言う。 「兄ちゃん…もうどこにも行かないでよ…」 「なんで、なんであんなに智を虐めたの?」 オレの口にキスして舌を絡めてくる。熱くてどんどん気持ち良くなる… 「知ってるでしょ?」 耳元で低く言われて背筋がゾクゾクする… オレと向井さんは智の納骨を見届けた後、智の福島の実家を後にした。 向井さんの運転するレンタカーで福島駅まで戻り近くのホテルを取って部屋でセックスする。 最低だろ… オレの服を剥ぐ様に脱がして体にキスする。オレは向井さんの髪の毛を掴んで泣きながらずっと同じことばかり聞く。 「なんで…なんで…言ってよ。ねぇ、なんであんなになるまで…虐めたんだよ…」 オレをベッドに横にさせてズボンを脱がす。 オレのモノを口に入れて離さない様に足を掴む。 「んんっ…はぁ、はぁ…ん、あっ、あぁん、はぁ…ん、ん…、いい…きもちい…ぁあっ、ん」 体がのけ反って腰が動く、掴まれた足がきつく締め付けられて気持ちいい…もうめちゃくちゃにして欲しかった。 「オレが…ん、いい子に、すれば良かったの?…ぁあっ、んんぁっ…オレの、せいなの…?」 ねぇ!っと聞いても何も答えずオレを貪る。 上体を起こしてオレのモノを咥える向井さんの顔を掴んでこっちを向かせる。 「教えてよっ!…ん、んぁあ…ね、教えて…んっ、んんっ…んぁ、ぁあん、ん、んんん…!」 口からよだれが垂れる。気持ち良くて体がのけぞり顎が上がる…背中がビクビク痙攣して爪先まで小さく震える。 「シロ、イッていいよ…」 「あぁああっ! はぁあん!はぁ、はぁ…ん」 向井さんがそう言うと、オレは激しく腰をビクつかせて射精した。頭を垂れて股の間の彼を見る。 オレの股から頭をもたげオレの顔にすり寄って猫みたいに顔を擦り付けキスする。 オレの足の間に体を入れて自分の膝に乗らせる。手をオレの後ろに回しオレの穴に指を当てて押し込んでくる。 「んぁっ!…あ、ぁあっ! んん…ん、んぁあ…」 快感を感じで仰け反るオレの腰に腕を回し、首筋に舌を這わせて指を増やす。すごくきもちいい 「シロ…かわいい、もうお前に夢中だ…」 向井さんはそう言うとオレの頭を掴んで下に向かせ舌を出してキスをねだる。 オレは顔を寄せてあいつの舌を舐めると口を合わせてキスした。 「ん、んっ…ん、ふぁっ…あっ、んっ…んん」 気持ち良くて…オレのモノがすごく熱くなる。触って欲しくて彼の腹に押し付ける。 「ね、触って…オレの触ってよ…ねぇ…にぃちゃん…シロのきもちよくしてっ!ねぇ…」 向井さんの顔が歪む。オレの兄ちゃんプレイ好きなんだろ…うんと甘えてやるよ… 兄ちゃん… 向井さんは大きくなった自分のモノをオレの中に挿れるとオレのモノを優しく扱き始める。 「あ!あぁっ、い、いい…にいちゃん…んん…」 腰を強く掴まれ下から突き上げられる。たまに息が漏れるキスをしたままオレのモノを扱く。 …もうすごい…きもちいい…ぶっ飛ぶ… 「はぁあんっ!いく、イッちゃう!にぃちゃん…シロ、イキたい…!ねぇ、あっ…んっ、んん…」 「シロ…キスして」 「イキたい…」 オレは向井さんの首に両手を回して腰を激しく動かす。 「…ん、…はぁ、はぁ…シロ、まだダメだよ…」 「んんんっ…や、やぁ…イキたい…はぁ…ん」 「…ん、兄ちゃんに…キスして…はぁはぁ…」 「あぁああっ!んんっ…!はぁはぁ…!」 向井さんは仰け反り完全にいっちゃってるオレの頬を掴むと自分に向かせキスした。 「イッていいよ…」 「んんんんっっ!あぁああっ!はぁあ…はぁ…」 オレは向井さんの体を押し倒してイッた。 オレの下敷きになった向井さんが腹の下で笑ってる声がする。 「シロ…すごいね。薬も使ってないのにこんなにキマるなんて…一体どんなことされてたの…?」 オレの下から抜け出るとうつ伏せるオレの上に覆いかぶさり挿入してくる。 「ん、あっ…あっ、んぁ…きもちい…兄ちゃん…」 オレの顔の横にあの人の顔があって、荒い息遣いが髪にかかって揺れる。 「シロ、きもちい?」 もっと…もっと…だ。 「足りない…もっと…もっとぉ!とびたい…」 ふふふと耳元であいつの含み笑いが聞こえる。 オレの腰を引き上げるとガンガンと突いてくる…もう何も考えたくない…ただ、真っ白になって快感だけに溺れたい… 「んぁあっ!いい…ぁあ、んんっ、はぁ…ん」 背中をしならせ尻を突き出す。 オレのモノを扱いて抜け…もっともっとイカせて。

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