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第40話
「ん…んっあっ、依冬…ん…はぁはぁ」
マンションのエレベーター、依冬は熱いキスをしながらオレのズボンを少し開けて手を入れてオレのモノを扱き始める。
「早くやりたい…」
「依冬!まだ家ついてない!」
エレベーターが到着して依冬はまたオレを抱えて部屋まで行く。
鍵を開けて、扉を開けて、中に入る。
オレはその瞬間ダッシュして逃げた。
「あははは!依冬!ばーか!」
ガルルル!っと聞こえそうなくらい依冬の顔が野獣モードになっていてオレはふざけたことを少し後悔した…
寝室に逃げ込んでクローゼットに隠れる。ちょっと開けた隙間から様子を伺う。
暗闇の中をでかい人影がオレを探してる!
何これ!ホラー映画じゃん…!ウケる!
オレの隠れるクローゼットの前で立ち止まると、クンクンと鼻を鳴らした。
ヤバイ吹き出しそう!
足音が遠ざかっていく音がしてオレが安堵した瞬間!クローゼットの扉が思いっきり開いて凄い雄叫びと共にオレは捕獲された。
そのままベッドに下ろしていつ用意したのかふわふわの手錠をかけてベッドに括った。
「依冬!ごめん!悪かったって!」
謝るオレを他所に自分の服を脱ぎ始める。
ネクタイを緩めてシャツを脱ぎ捨てる姿がカッコよくて見惚れた。
ベルトを外す音がしてズボンを脱ぎ捨てる。
オレのズボンのボタンを外してチャックを下げる。
裾から一気に引っ張って脱がすとオレのパンツ越しに自分のパンツ越しの大きくなったモノを擦り付けてオレを見下ろす。
「シロ…犯していい?」
依冬の目が黒く疼いてて背筋が凍る。
「…いやだ…離して!」
この場合これが良いよの合図。
依冬はオレのパンツを脱がせるとオレのモノを貪るように口に咥える。
「あっ!あぁあ!や、やだぁ!依冬…!やめて!ぁああん!はぁ…はぁ…あん!きもちい!」
指でオレの中を刺激して感じやすい部分を執拗に攻める。
触れられると体が跳ねて仰け反っていく…足が突っ張ってイキそうになる…!
「だめぇ!イッちゃう!依冬…!んっ、んん…きもちい!きもちいよっ!…依冬…!」
依冬の熱い口の中で吸われて締め付けられるオレのモノはビクビク震えてイキそうになってる。
「あっああん!イッちゃう!依冬!オレ…あっ、イッちゃうよ!あああっ!…んっ、んん…」
オレがイッても彼の気の済むまでオレのモノは咥えられて扱かれ続ける。
腰が震えてビクビク痙攣する。手首の手錠がフワフワなのに食い込んでくる。
「依冬…挿れて…?も、挿れて…欲しいの…依冬のおちんちん欲しい…!」
オレが体をよじらせてお願いすると、依冬はパンツを引き下げて大きくなったモノを出した。
おもむろにそのままオレの顔の前まで来ると向きを変えてオレの口の中に大きなモノを突っ込んできた。シックスナイン…オレが下なの?
「んっ!んん!んっ!ぐっ!苦しい!」
オレの口にファックしてくる依冬のモノを抑える唯一の手が縛られていて使えない。喉の奥まで来そうなくらい大きくてオレの上顎にモノを擦り付けて腰を振る依冬を止められない!
このまま死んだらウケる。
そう思いながらあいつのモノを口で受けているとオレのモノをまた口に咥えて扱き始める。
すごくきもち良くて喘ぐと依冬のモノが喉をついてくる。苦しいのに気持ちいい…!
ヤバイM男に開発される…!
そう思った瞬間オレの喉にグッと入ってきて派手に咽せた。
ゲホゲホ言うオレの顔を撫でたり背中をトントンしながら依冬が聞いてくる。
「シロ…ごめんね?大丈夫だった?」
「これ…離して…」
オレの言うことは無視して足の間に入ると大きくなったモノをオレの中にググッと押し込んできた。足の先が一気に緊張する。
「力抜かないと痛いよ?」
「はぁはぁ…ん…くっはぁはぁ…待って…ん、はぁはぁ…くるし…ん依冬…」
依冬はオレの苦しむ顔を見てどんどん興奮してモノを大きくする。
オレのモノを握って両手で扱き始める。手に力が入って勇吾の中に挿れた時みたいにキツくて気持ちいい!
「あっ…はぁ!だめぇ!依冬!んんっ…!イッちゃう!あっ!あっああ!らめぇえっ!!」
体を仰け反らせてイッてしまい腰が痙攣する…!
依冬の手の中に射精したのに、あいつはグジュグジュと音をさせながら扱くのをやめない。
「あっあっ!あっああ!だめぇっ!も、やぁだ!やだぁ!あっあああ!んん~っ!はぁはぁ…!」
快感から逃げたくて足をバタつかせるけどあいつが足を広げて力が入るのを阻止して逃げられない。繋がれた手がベッドに繋がる紐を張らせて音がする。
オレのモノを両手で扱きながら腰をぐっぐっと押し付けて大きなモノをゆっくりと中に埋めていく。
「あっあん!依冬!ぁああん!きもちい!はぁあん!あっ!あっあ!依冬!依冬!」
体が仰け反ってされるがままになり頭が真っ白になる。
受ける快感をダイレクトに感じてもう何も考えられない!
「あっああ!イッちゃう!依冬!!イッちゃう!」
オレはまた依冬の手の中でイッてしまう。
依冬はオレの精液が手にべっとりついたまま手錠で繋がれたオレの手首を両手で押さえながら覆いかぶさって腰を激しく動かす。
「あっああ!依冬!!あっあっ!あっああ!!きもちい!!きもちいい!依冬!! 依冬!!」
顔を振って襲ってくる快感を散らすけど、目の前の野獣が凄い目つきでオレを貪るから聞こえる息遣いや手首を掴まれる痛みでどんどん快感が増していく…!
「あっ…ああシロ…イキそう…!んっ!んんっ!!」
激しく腰を打ち付けてオレの中で依冬のモノがドクドク精液を吐き出してイク。
オレの体に汗だくの依冬の体がのしかかって来て重い…オレの顔にキスして唇に舌を入れる。震えるオレの舌を捕まえて吸い上げる。両手を掴んだまま長いキスをしてまたゆっくり腰を動かし始めた。
「んっ、んんっ!んっ!んっ!んぁっ!はぁん」
むせ返るようなキスで酸欠のように頭がクラクラする。腰をねちっこく動かしてオレの中でモノを動かす。
「シロ…きもちい?」
「ん…ん…はぁはぁ…きもちい…」
オレは潤んだ瞳でそう言って依冬を見つめる。口からはよだれが垂れて顔は赤く熱くなってる。
オレの口にキスすると腰をガンガン激しくしてオレの反応を堪能するみたいに間近で見つめる。
「あっ…あっ、あっあっ!あっあん!あんっ!」
オレの腰の下に足を入れオレの腰を掴んで激しく動かす。身体中に刺激が走って拘束された手を下に思い切り引いてまた紐が張って音がする。
オレのTシャツの下に手を滑らせ胸元を捲り上げて乳首をつねる。
「ぁああん!依冬!依冬!やぁ、ぁああ!!だめ!あっあっ!ぁああん!良い!もっと!!もっと!虐めて…!!依冬…!あっあっ!!」
「シロ…可愛い…たまんない…お前…たまんない」
依冬がそう言ってオレの腰を強く掴んで激しく腰を動かす。
「あっあ!依冬!あっぁあ!!…んんっ!きもちい…!依冬…!!や、やぁだ! ん…!イッちゃう!イッちゃう!!あっあああ!ダメっ!あっはぁああ!!」
頭が真っ白になって飛んじゃいそう…!!
オレの中で依冬のモノもドクドクと液を吐き出して中から漏れ出てくるのが分かった。
足が震える…掴まれてる腰も小刻みに震えて口からよだれが出る。
「シロ…良い子だから、これ外してあげるね」
そう言ってベッドに縛った紐を外してくれた。
オレは依冬に震える手を伸ばして背中をなぞった。
「依冬…キスして…ねぇ、キスして…」
オレが言うと覆いかぶさってオレにキスする。頭を撫でてしがみつくとあいつが腰をまた激しく動かしてオレの中から精液が音を立てて掻き出される。もうだめ…飛んじゃう!
「あっああああ!あっああ!んんっ!!依冬!!依冬!!」
自分の髪の毛を掴んで快感が押し寄せてくるのを堪える。たまんない!たまらなくきもちい!!
どんどん気持ち良くなる体に頭がついていかない!ひたすら依冬にしがみついて押し寄せる快感に溺れる。
遮光カーテンの隙間から眩しい光が漏れる。
今何時なの?
オレはまだ依冬に腰を掴まれ揺すられている。
いつもそうだ…最後はオレが突っ伏して喘ぐ元気もなくなり依冬がひたすらオレの腰を持ち上げて最後の最後までイカそうとしてくる。
「…あぁ…ん…依冬…きもちい…ん、あっ、イッちゃ…ん…あっぁあ!んっ…はぁ…はぁ…」
オレのモノが申し訳程度の精液をたらりと垂らすと、依冬もオレの中でドクドクと精液を吐き出してイッた。
「依冬…も、疲れた…眠い…眠い…」
「ふふふ…凄くいっぱいしたね…俺も疲れた…」
依冬は俺を後ろから抱きしめると、そのまま眠りだした。
「こんなベチャベチャなところで寝たくない!」
オレが怒ってそう言うと依冬は慌ててシーツを外し始めた。
こう言う所は桜二の方が断然しっかりしている…オレは腰砕けになりながらシャワーを浴びようとヨロヨロとお風呂場に向かった。
洗濯物の山を見てうんざりし、お風呂場のドアを開けてジェットバスがあるのを思い出して浴槽にお湯を溜め始めた。。
「シロ、今から入るの?」
「ん…」
真っ裸の男2人が風呂が入るのをボーッと見ている光景って…シュールすぎる。
しばらくすると風呂場に蒸気が籠り始め、お湯の溜まった浴槽に依冬が入用剤を入れた。
オレは流される前にお湯に浸かってジェットボタンを押した。
「あはははは!ヤバイ!泡が!泡がやばい!」
オレの周りに泡が溜まってどんどん押し寄せて来て楽しくてはしゃいで笑った。
「あはあはははは!シロ!あっ!シロの顔が!」
依冬がオレの顔に泡がつくのを嫌がってタオルを取りに行くと、一緒に風呂に入ってオレの前に堤防を作ってオレの顔を拭いた。
「目に入ったら痛いから…」
そう言って丁寧に拭くこいつはさっきの野獣と同じなの?本当に面白くて大好きだ…
「依冬…好き」
オレは依冬の胸板に顔を埋めて言った。
そのまま風呂で寝転がる。
ここで2人で寝たら溺れて死ぬな…
「寝たら死ぬよ?」
オレが依冬を見上げて言うと、依冬は笑ってこう言った。
「シロと一緒なら悪くないな。」
「お前知らないんだな、浴槽で死ぬと最悪なんだよ。ドロドロに溶けて2人分の細胞が混ざってピンクのグチャグチャになるんだ。」
「混ざれるなら良いじゃん。シロと1つになるよ。ジェットバスの中でずっと一緒に居られるよ。」
オレは依冬の顔を見ながら呆気に取られた。その次におかしくて笑いがこみ上げてくる。
「お前!それってグロいけどロマンティックだなっ!おっかしい!うふふ、あはは、なんだそれ!」
笑いながら依冬に顔を寄せてあいつの唇を舐める。そのままキスして熱くなる。
「シロ…またしたい」
「ん…良いよ」
オレの脇を掴んで自分の上に乗せて優しく体を撫でる。オレ、こっちの依冬の方が大好き…
優しくキスして吐息が漏れる。
優しい手つきに甘くなってトロける。
早く野獣が消えてなくなりますように…
携帯の着信音で目を覚ます。
手に取って電話に出る。
「ん…おはよう…え?昼?本当…?ん…寝てた…、うん…依冬、あ、寝てる。うん…ん?いいよ、大丈夫だから…うん、本当に…ん、愛してる。」
桜二からの電話だった。
何回もかけたって言ってた。
着信履歴を見ると確かに10件以上あった…
全然電話に出ないから心配して迎えに行こうと思ってたって…もう昼なんだ。
傍を見ると依冬がまだかわいい顔をして寝てる。
結局シャワーの後、オレ達はベッドではなくてソファに重なって寝た。
オレは立ち上がると足で揺すって依冬を起こした。
「依冬…もう昼の2時だって!桜二が心配してるから送って…?オレも仕事あるから…」
オレがそう言っても全然起きない…依冬、疲れてたのかな…
くーくー眠る彼を観察する…兄ちゃんに少し似てる…口元が、確かに似てる。
顔を寄せて眠る依冬の唇をそっと舐める。
柔らかくて弾力があって…あったかい…
生きてるんだ。
そう思った瞬間、オレの意思とは関係なくまた涙がポロポロ落ちる。
…やんなるよ。どうしようもない無力感、ただ涙が引くのを待つしかない。
オレのしゃくり上げる泣き声に依冬が飛び起きて慌ててオレを見る。
「シロ…どうしたの?どこか痛いの?」
「依冬…大丈夫…突然発作が来ただけだから…。どこも痛くないよ。」
いつもの過呼吸と同じ方法でやり過ごそう…やり過ごすしかない。
オレは依冬に抱きついてシクシク泣いた。
感情の波が通り過ぎるまで、じっと体を縮めて依冬にしがみついた。
オレの頭を抱き寄せて体に密着させると、依冬は壁にかかる時計を見て言った。
「もうこんな時間だったんだね、ごめんね。起きなくて困ったでしょ?ごめんね、シロ」
オレの頭をクシャクシャに撫でてお詫びするようにキスを落とす。
「ん…大丈夫…ひっく…」
オレの携帯がまた鳴って、桜二が依冬の家の下に来ているから一緒に帰ろうと言った…結局、桜二…待てなくて下まで迎えに来たんだ。
電話を切って依冬にそう伝えると、慌てて服を探しに向こうの部屋に行き、すぐ戻って来て言った。
「分かった…下まで送るよ。シロ…ごめんね…」
悲しそうに俯いてオレと手を繋ぐ。
オレが突然泣き出した事、絶対自分のせいだと思ってる依冬が可哀想で…オレは依冬にきちんと話した。
「あの、寝てるお前の…口元見てたら、にいちゃんに少し似てて…そう思ったら…ひっく、こんなんなっただけだから…!お前は…ひっく…何も悪くないから!ね?」
オレこそごめんね…そう言ってオレは依冬を抱きしめた。だって、何も悪くないのに…自分のせいだなんて悲しませたくなかったんだ。
「好きだよ…依冬。大好き…愛してる。」
「ん…シロ…俺も…愛してるよ。」
マンションを出ると桜二が車の前に立ってオレを待っていた。
さっきの電話で突然発作が起きて泣いてる事は伝えていたから、心配そうにオレに足早に近づいて来て顔を覗いて来た。
「…もう、落ち着いた?」
「ん…」
短く返事して彼に抱きつく。
あったかい…桜二の匂いに安心する
「依冬、ちゃんと朝は起きろよ…」
そういう桜二の声色に怒気を感じたけど、オレの手前この程度に抑えてくれたのかな…依冬が怒られるならオレがもっと早くに起きればよかった…
「依冬、またね。洗濯物ちゃんと洗ってね」
オレはそう言って依冬にキスすると桜二の車に乗り込んだ。
「体痛い…」
笑いながら運転席の桜二に言うと、オレの首元のキスマークに指を押しつけて嫌そうな顔をした。
「これじゃ…踊る時に目立つじゃないか…」
桜二と1日しか離れてないのに…すごく久しぶりに感じて、オレはその手を掴んで自分の頬にあてて目を閉じた。
「依冬も一緒に住めば良いのにね…」
桜二はそう言ったオレの頬を撫でて体を寄せると、そっと顔を屈めてキスした…桜二のキスが久しぶりな気がして、嬉しくてオレは手を伸ばして彼の背中を抱きしめた。
桜二の部屋に着き、オレがヨロヨロとソファに座ると、キッチンにいた勇吾がオレの傍に来て膝に寝転がってきた。
オレの顔を見ながら楽しそうに聞いて来る。
「昨日、激しかった?」
激しいなんてものじゃない…あれは命がけだ…
「ん…」
オレは短くそう言って答えると、膝に勇吾を乗せたまままたうとうとし始める。
年上が多いここは、オレがダラけてても誰かがやってくれるから楽なんだ…依冬と2人だと桜二が入院してた時みたいに、部屋の中がグチャグチャになってしまうから…オレがしっかりしないといけないんだ…でも、それに慣れない。
「シロ…もうちょっと寝る?ベッドで寝る?」
こうやって聞いてくれて、オレが、うん。って言うとベッドまで運んでくれて…
「時間になったら起こすから、機嫌良く起きてね。」
そう言ってふわふわの布団を掛けてくれるんだ…
楽だ…
…ダメな兄ちゃんだな、オレ…
眠い…
勇吾が隣に寝転がってオレの髪を撫でてる…気持ちいいな…
「かわいい寝顔…」
そんな優しい声が聞こえて、オレは眠った。
「シロ…?そろそろ起きる時間だよ?」
頬を撫でられてゆっくりまぶたを開ける。
目の前に勇吾がいて優しい笑顔でオレを見ている。
後ろの窓から夕焼けが入って勇吾の笑顔が影に埋もれていく…それがすごく綺麗でオレは目の端から涙が落ちた。
「どうした…悲しいの?」
そう小さく聞くと、寝ているオレの上に覆い被さって腕の中に隠すようにして顔を覗き込にで来た。
「いや…お前が…綺麗で」
オレがそう言うと、ふふっと笑ってオレの髪に顔を埋めた。あったかいな…
「起きられる?」
勇吾がオレのおでこにキスして聞いてくるから、うん。と答えて体を起こした。
ベッドに座ってボーッとするオレの後ろに回って抱きしめると、勇吾はオレの顔にチュッチュッと何度もキスしてくる。オレはされるがままになってそれを受け入れた。
「シロ、起きてるの?偉いね。」
桜二が寝室に来てわざとらしく驚いて見せる。
勇吾から離すようにオレを抱き寄せるとそのまま担いでソファに連れて行った。
「お腹空いてない?」
「シャワー浴びていく?」
「猫のトレーナー乾いたよ」
次々と浴びせられる問いに短く答えてテレビをつける。
「夏子さんは?」
オレが聞くと桜二は出かけたと答えた。
ソファにもたれながら手元をなんとなく見ると、また痣になってる…ふわふわでも痣になるの?これ、桜二が見たらまた怒るだろうな…
勇吾が隣にぴったり座ってオレの手を取り、手首の痣を隠すようにして撫でて言う。
「また優しくしてあげたの…?」
あれ…勇吾ってこんな話し方だっけ…
オレは勇吾の方を見て確認する…こいつ勇吾だよな…?
「勇吾、話し方優しい…そっちの方が好きだよ。」
オレはそう言って勇吾に体を傾けてもたれると頭を彼の肩に落として甘えた。
勇吾がオレの手首の痣をずっと撫でてる間、オレはぼんやりと窓の外を眺めて雲の流れる速さに風の強さを感じてた。
「明日から仕事だね…?やだな、寂しいな…」
ソファに座ってニュースを見てる桜二の膝に跨って、彼の髪の毛をワシワシとかき混ぜてボサボサにして遊ぶ。
「ココと、ココと、あとココと、その手首…痣、隠さないとシロの白い体だと目立つよ…」
桜二はそう言って手首のアザに触れて指で優しく撫でる。
オレは笑ってそっとキスすると、分かった。と言ってもっと髪の毛を逆立てて遊んだ。
「このままスプレーで固めてみる?」
「やだ」
桜二はオレの提案を即座に拒否すると、オレの腰を両手で抱えて自分に引き寄せて抱きしめた。胸とお腹がくっついて体温が伝わる。
あったかくて気持ちいい…
桜二の肩に腕を置いてあいつの頭を後ろから撫でる。
見つめながら舌を出してキスする。
桜二の腕がオレの背中を抱きしめて締め付けてくる。
あぁ…このままエッチしたいな…
「シロ、そろそろ行ったほうが良いんじゃないの?」
勇吾に言われて時計を見ると、あっという間に仕事に行く時間になっていた。
オレは桜二から降りて荷物を持つと振り返って可愛くお願いした。
「桜二、送って?」
鍵を持って後ろについてくる桜二が可愛くて、腰にしがみ付いて甘えた。
「桜二の仕事はいつも何時に終わるの?」
助手席に座って桜二を見ながら話しかけると、バックさせながら9:00頃かな~?と答えた…でもさ、おかしいよな!だって定時は7:00なんだぜ?なんで毎日2時間もオーバーするの?それって就労違反じゃないの?
フン!
「朝しか会えないなんて悲しい…」
オレはそう言ってシフトレバーを握る桜二の手を指で触った。
桜二が怪我してから休職中…ずっと傍に居たから…ちょっと離れただけでとてつもなく寂しいんだよ…
「シロ、電話するし、昼に戻れそうな時は顔見に家に戻ってくるよ。」
そう言ってオレの頭を撫でるけど…
ちょっとの時間じゃ愛を確かめ合えないじゃないか…!
フン!
店の近くに着いた。
時間が余ったので路駐して桜二とキスして時間を潰す。
甘くて長くて濃いキスに頭がクラクラして今すぐ桜二としたくなる…仕事前にする事じゃないよな…
「桜二…きもちい…ずっとしてよ…」
あいつの肩に手をかけておでこをつけながらオレが言うと桜二は笑ってまたキスする。
「エッチしたい…桜二の欲しい…」
オレが言うと時計を確認して残念そうにオレを見る。なんだよ…なんだよ。
「もう行かないと…」
「じゃあ手でして?ねぇ…抜いてくれないとやだぁ…」
オレは無茶を言って桜二を困らせる。
この困った顔…好き
桜二は運転席のシートを下げて後ろに移動させると、オレの手を引いて自分の上に向かい合うように跨がせた。
そのままオレのズボンのチャックを下げて半勃ちしたオレのモノを出して扱いた。
「んっ…!桜二…きもちい!あっ…あっん…!」
仰け反るオレの腰を掴んで首元に舌を這わせる。
ゾクゾクして腰に鳥肌が立ってくる。
「こんなにビクビクして…かわい…口でしたい…」
「口で…して…してよぉ!」
「シロ…時間がないから…今はこれでしよう…ね?」
やだ…出来る限りの努力をしようよ…!
オレは運転席のドアを開けて後ろの席に移ると桜二が来るのを期待する目で待った。
「シロ…まったく…」
後ろの席で待つオレを見てそう言いながら桜二も後ろに来た。
オレの腰を掴んでモノを口に咥えると扱き始める。
「あっああ…きもちい…桜二…きもちい…イッちゃう…ん、んん…あっあっ…んぁああっっ!」
あっという間にオレはイッて、オレの股に屈む桜二の背中に覆い被さった。
「もっとしたい…」
オレがそう言うと桜二は大笑いしてオレを抱きしめた。
「明日も明後日も出来るよ?なんで今、急いでするの…?寂しいの?」
オレは抱きしめてくる桜二の腕を掴んで頬擦りする。
「寂しい…離れたくないの。」
「可愛いね…シロ」
ギュッと抱き寄せる手があったかくてもう仕事なんてやめちゃおうかな…扶養してもらおうかな…と思った。
しかし、自立してない男なんて…ダメだろ?
オレは頑張って自分を奮い立たせて桜二に言った。
「行ってくる…」
「はい、いってらっしゃい。」
オレの頭を撫でてそう言うと後ろの席のドアを開けてくれた。
店に向かってトボトボ歩く。
振り返ると桜二がまだ車の外でオレを見ている。
このまま引き返して抱きついてエッチしたいな…
頭を下げてまた店に向かってトボトボ歩く。
店のエントランスからまた振り返ってみると、まだ立っていたので手を小さく振った。
手を振り返してる桜二を見て、ここからあそこまで走っていって抱きついてエッチしたいな…とまた思った。
分かってる…キリがないんだ…
諦めが肝心なんて言葉があるけど、諦めと受け入れることって同じだと思う…ただ言い方が違うだけでさ…
一緒に過ごせない時間を受け入れるのか、一緒に過ごす時間が無いと諦めるのか…どっちが前向きな考え方なの…肝心なのは諦めることじゃなくて気に入らない現状をストレス少なく乗り切るための前向きな表現なんだ…。
諦めが肝心なんて…傷に塩塗るような言い方するんじゃないよ…
オレはただずっと一緒にいたいだけなんだ。
「寂しい…」
オレは桜二と離れる時間を受け入れた…
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