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ゆるふわ&あわもこ(5)
「ゆーた!そんなムグッ」
僕が言おうとしてる事にいち早く気が付いたゆーたが、僕の口を押えて止める。
「とまり?他にも人がいるんだから、そんな大声出しちゃ駄目だろ?」
明らかになんかおかしい僕たちを、周りの人がちらっと見てる。
常連さんぽいおっちゃんとか。
部活帰りだろう高校生とか。
見てる!!!!!
見られてるじゃん!!!!!
ゆーたを見ちゃ駄目なんだってば!!!!!
「んむーーー!!!!!」
僕はゆーたの手を振り払うと、閉めたばかりのロッカーを全速力で開けて、大判のバスタオルを引っ張り出してきてゆーたに被せた。
「っわぷっ、なんだよとまり、そこまでしなくてもいいじゃん」
「やだっ」
「風呂入るんだから、裸なのはしょうがないだろ?」
「やーだ」
バスタオルにからまって、もぞもぞしてたゆーたが、「ぷは」ってようやく顔を出した。
「そういうとまりだって全裸じゃん」
「ゆーたは特別なのぉ」
たぶん大きな声で言ったらいけないから、僕はゆーたの傍に寄ると、耳元で小さく言った。
吐息が熱いのはここが暑いからなんだからね!
「ゆーたの可愛い乳首さんも、あまえんぼの息子さんも、きゅってしてて桃みたいなお尻も、お腹も背中もぜーんぶ、知らない他の人に見られたら嫌なの」
囁かれてるゆーたの耳がだんだん赤くなってきた。
「そ、んなこと、言ったって……」
潤んだ目で、ゆーたが困ったように僕を見つめる。
「ごめんね。そもそもここに来たのは僕のわがままなんだけど……。……その……ついでにもういっこ、わがまま言ってもいい?」
「うん」
「帰ろ?帰ってゆーたんちのお風呂に一緒に入ろ?」
「いいよ」
ゆーたは頷いてくれた。
それで、フードみたいになったバスタオルの陰で、ちゅっ、て小さなキスをくれた。
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