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ゆるふわ&あわもこ(6)
帰りの車内は、二人とも喋らず沈黙をまとってた。
エンジン音と、時々ウィンカーの音だけが聞こえる。
でも、こっそり見たゆーたの頬は赤かったから、怒ってるわけじゃないみたい。
よかった。
さすがに今日は僕、わがまま言い過ぎだったよね。
反省しよう。ゆーたを困らせたい訳じゃないもん。
「お邪魔しまーす……」
そっと戻ってきたゆーたの家はがらんとしてた。
「あれ?ゆーたのお母さんは?」
玄関閉めるなり抱きついてきたゆーたに聞く。
こ、こらゆーた、キスしてたら答えられないでしょ!
「んー……今日は夜勤だから、明日の朝まで帰ってこないって」
唇へのキスを諦めて、僕のうなじにターゲットを変えたゆーた。
耳に吐息が当たって、くすぐったいよぅ。
うぅ、珍しくゆーたが積極的に甘えてくるから、なんか暑くなってきた。
そーだ!
ふと思い出した僕はゆーたに聞いた。
「僕の部屋から取ってきたい物があるんだ。ゆーたの部屋から行ってきてもいい?」
「ええ……」
「何がっかりしてるの?」
「もっとキスしたいんだよ」
ゆーたはそんなことを言って僕のうなじに唇を触れた。
くすぐったいってば。
さっきまで僕がわがまま言ってたのに、帰ってきたらゆーたの方が好き勝手言い始めたなぁ。
「戻ってきたら、いっぱいキスしてあげるから、ね?」
「……うん。じゃあその間に風呂沸かしとく」
しぶしぶゆーたは僕から離れた。
「すぐ戻ってくるからねっ」
この家のことは、自分の家みたいによく知ってる。
僕は階段を足音も軽く駆け上がると、ゆーたの部屋に飛び込んで窓を開ける。
窓枠を越えて屋根に乗って、猫みたいに足音を殺して向かいの窓へ。
からからっと開けたそこは僕の部屋だよ。
確かこのへんの引き出しに入れといたと思うんだけど……。
あったあった。
水色のキラキラした袋をみつけて、僕は思わずこぶしを握って「よしっ」って言っちゃった。
すぐ戻るよ!
ゆーたが待ってるからね。
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