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(11) 美しい束縛
「で、何でこんなものを……」
先輩はオレがプレゼントした下着を着用し、ベッドに腰掛けた。
ミユさんと厳選を重ねて選んだ黒のドエロい下着のセット。
何がエロいって、ブラジャーとパンティを身に付けているのにも関わらず、本来隠すべき乳首やお尻は丸見えなのだ。
ペニスに至っては、股間の逆三角形地帯から見事にはみ出していて、それが逆にエッチさを増している。
オレは、想像を超える先輩の姿に感嘆の声を上げた。
「先輩! とっても綺麗です! ああ、最高!」
先輩はオレの熱い視線に恥ずかしくなったのか、少しうつむき加減で頬をピンク色に染めた。
そして、女性のように胸と股間を隠す素振りを見せた。
「バカ、和希、こんなの恥ずかしいだろ?」
「先輩!」
オレは先輩の腰元に飛びついた。
花柄のレースのガーターベルトと割れた男の腹筋とが見事に調和している。
美しい……。
いわば絵画が相応の額縁に入ってこそ完成に至るのと同じ。
オレは堪らずに、先輩の腹筋に鼻を押し付けて顔を埋めた。
ああ、なんて幸せなんだ……。
そして、手はさりげなく太ももに移る。
黒光りするストッキングのすべすべ生地と筋肉の硬さがこれまたマッチして最高の触り心地。
恥ずかしくてキュッと内股を閉める先輩。
でも、オレは構わずに手を滑り込ませる。
強引にそして執拗に撫で回すと、先輩は少しくすぐったそうに体をよがらせた。
「ちょ、お前、あっ……ダメだって、和希。そんな、触り方、やめろって……」
「はぁ、はぁ、いいじゃないですか! 美しい物を愛でるのに理由なんていらない。ですよね? 先輩」
両手を後ろに付き、熱い吐息を吐きながら顎が上がる先輩。
剥き出しのペニスがピクンピクンと反応している。
ふふふ。先輩だって、こんなに感じているじゃないですか。
オレの愛撫はどんどんエスカレートして行く。
腹筋を舐めながら徐々に胸の方へ。
そこにはリボンのついた紐の黒いブラジャー。
カップは無いけど、アンダー部分には花柄の刺繍。
男の胸筋の魅力をより引き出す。
そして、中央部にツンっと立った乳首を美しく飾る。
すごい……なんて綺麗なおっぱいなんだろう……。
オレはハムっとその突起を咥えた。
先輩の体はビクビクっと小刻みに震える。
「あっ、はぁあん……和希、気持ちいいッ……」
推し迫る快楽。
先輩は、それに我慢ができなかったのだろう。
ガバッとオレの頭ごと抱いて胸に押し付けた。
「ば、バカ……あっ、はぁあん……感じる……和希、和希……」
「んっ……んぱっ、れろれろ……美味しいです。先輩の乳首……」
オレの舌は、触手のように自在に動き、先輩の乳首を蹂躙する。
先輩の体の震えは徐々に大きな痙攣に変化した。
「うっ……やばい……和希。もういきそうだ……頼む」
先輩のおねだり。
オレはニヤッとして、先輩のペニスをギュッと掴んだ。
固く勃起したその先の方は、にゅるっとした感触があった。
オレはその液体で手のひらをたっぷりと湿らせた。
「先輩、今日はずいぶんと感じているじゃないですか? ほら我慢汁がこんなに溢れていますよ。すごくエッチです」
「はぁ、はぁ、お、お前こそ、今日はずいぶんと激しいじゃないか……はぁうううっ、気持ちいいっ……うっ」
ペニスの先を手のひらでぐりぐりされて先輩は雄たけびを上げた。
オレはそのまま亀頭とカリを丸ごと包込むと、力いっぱい握りしめた。
「あっ、あっ……やばい、あぁう、あっ、あっ……いくっ、いくーっ……」
先輩の体が反り返る。
その瞬間、オレの手のひらには先輩のペニスの痙攣が伝わった。
ドクッ、ドクッ、と精液が発射させる。
間もなく、オレの手の中から溢れた精液が指の隙間から漏れ出た。
先輩は、はぁ、はぁ、と息を荒げ放心状態。
半開きの口からは涎が垂れる。
「先輩……とっても綺麗です……」
オレはそのまま、先輩の涎を拭うかのように口を口で塞いだ。
先輩は横になった。
いった余韻でまどろみの中をさまよう。
オレは、そんな先輩の体を指を這わして楽しむ。
ところで、オレは予想をはるかに超える先輩の美しさに驚きを禁じ得ずにいた。
黒で統一された一式のセクシーランジェリー。
上半身は、チョーカーにブラジャー、グローブ。
下半身は、チョーツ、ガーターにストッキング。
それぞれはリボンや花柄をモチーフにした刺繍が施され、男の美しさをより美しく魅せる。
こんな世界があったなんて……。
オレは、カエデさんの同人誌に感謝してもしきれない。
いや、そもそもミユさんにBLフェスに連れて行ってもらわなかったらこんな発見は無かったのだ。
まずはミユさんに感謝だな。
オレは、しみじみとそう思った。
しばらくして、先輩は、いった余韻から徐々に覚めようとしていた。
オレは、先輩を抱き抱えて起こす。
そして、オレはある事に気が付いた。
先輩が真剣な表情になっていることに。
先輩は口を開いた。
「……和希、正直に言ってくれ。お前、まさか女の体に興味が移ったって事なのか? 俺に女装させるなんて……」
先輩は悲しそうな表情を浮かべた。
オレは驚いて言い返す。
「えっ? 何を言っているんです? そんな事あるわけないじゃないですか。オレ、先輩の体が大好きで仕方ないです」
「じゃあ、何だってこんな女の下着なんて……」
先輩は自分の両手を見つめている。
指先が出る黒いストッキング生地のロンググローブ。
男だったら一生着用することないだろう代物。
先輩は、どうして俺がこんなものを、と納得できずにいるのだ。
オレは言った。
「先輩! 分かってないです!」
「何がだ?」
怒ったような口調。
やっぱり、先輩は誤解している。
オレが先輩を弄んでいると勘違いをしているのだ。
オレは慌てて弁明する。
「先輩、いいですか? 女性の下着というのは美しい体をより美しく魅せるためにあるんです。だから、可愛い花や蝶、フリルやリボン、そんなデザインになっているんです」
「まぁ、そうだな……しかし」
何か言いたそうな先輩の言葉を遮り、オレは続ける。
「つまり、これらのランジェリーは男の体だって同じこと。男の体をより美しく魅せるんです。ほら見てください。この先輩のたくましい太ももの筋肉や腹筋、胸板がこれらのランジェリーによって美しく飾られるのを」
オレは先輩の手を引いて、全身鏡の前に立った。
先輩は恥ずかしそうに鏡に映る自分を見つめた。
「先輩、ほら見てください。乳首だってペニスだって、ますます美しくなって見えますよね? うあぁー オレ、ゾクゾクします。先輩って何て美しいんだろう。先輩だって、そう思いますよね?」
「い、いや、良くは分からないが……なぁ、和希。俺は、恥ずかしくて仕方ない……」
少し内股気味になって、もじもじと恥じらう仕草をする先輩。
今にも泣き出しそうに瞳を潤ませ、頬を紅潮させる。
自分の姿を見て興奮しているのだろう、はぁっ、はぁっと湿った吐息を吐いた。
その先輩の姿を見て、一瞬でオレの雄の本能が呼び覚まされた。
もうムラムラとした気持ちを抑えきれない。
「あーもう! 恥ずかしがってる先輩! 最高に可愛いです!」
オレはガバッと襲うように先輩に抱き着いた。
そして、先輩の唇を無理やり奪おうと両腕を押さえる。
先輩は、そんなオレを振り払おうとして言った。
「この変態が!」
「ふふふ。先輩、知らなかったんですか? オレって変態なんです。もう、先輩の事が好きすぎておかしいんです!」
「バカ、そんな事を言っているわけじゃ……やめ……んっ、んんっ」
舌を突きだして先輩の口に突っ込む。
先輩は最初こそは嫌がっていたが、すぐにオレを受け入れてくれた。
いや、むしろ積極的に舌を伸ばしてくる。
はぁ、はぁ、と息を荒くして唾液交換を始める。
甘くエロいキス。
舌先でちょろ、ちょろと触れあい、時折、ちゅっぱと舌を舐めあう。
お互いの口の中は唾液で洪水状態。
オレはキスを楽しみながら、先輩の背中に回した手を徐々に南下させた。
ショーツの上から大きくお尻を揉みほぐし、やがて中央部へ。
そこは、ちょうど布がない部分。
先輩は、オレの手の感触に体を悶えさせた。
オレの唇から口を離して言った。
「はぁ、あっぁん、お尻に直接、和希の手が……」
「そうですよ。このパンティは脱がせる必要が無いんです。最高ですよね?」
「あっ、あっ……お前、最高って……んっ、んっんん」
再び唇を合わせて言葉を遮る。
オレの指先はさらに割れ目に差し掛かる。
グイッグイッっとお尻のお肉に指で広げ、中指は先輩の秘部の中へ。
「んーっ……はぁううっ……」
先輩の仰け反り。
離れた口からヨダレが糸を引いて弾けた。
アナルはヒクヒクと小刻みに痙攣し、オレの指を飲み込もうと中へ中へと誘う。
「先輩ってば、アナル超敏感になってますよ。ふふふ、もう食べごろみたいですね」
「はぁ、はぁ……和希頼む。もう、我慢出来ない。挿れてくれ。お前のガチガチのペニスを」
先輩は、目を潤ませてとろとろ顔。
オレは先輩の半開きの口に指をぐいっと突っ込みながら言った。
「分かりました、先輩。ベッドに手をついてお尻を突き出してください。もっとよく見させてくれたら挿れて差し上げます」
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