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第44話 強引な情交④
俊の黒目がちの大きな瞳から涙が次から次へと零れ、シーツを濡らしていく。
「……っう……や……」
苦痛に呼吸もままならない様子の彼へ、桐谷は優しいキスをしてから、耳元で囁いた。
「俊……、体から力、抜いて……。深呼吸して……。そう、ゆっくりと……いい子だね……俊……」
俊が言うとおりに深呼吸を繰り返す。
「俊……、好きだよ……」
桐谷は彼の額や頬に口づけをしながら、俊の体から強張りが解けるのを待った。
初めて知る俊の中は、桐谷に極上の快感をあたえてくれていた。じっとしていても内部が桐谷を絡め取り、じわじわと締め付けてくる。
そして、俊の体からすっかり余分な力が抜けきったのを感じると、桐谷は凶器のような自身の雄で、彼のイイところを思い切り突き上げた。
「ああっ……やだっ……」
俊が大きく頭をのけ反らせ、細い腕を桐谷の背中に回し縋りついてきた。
唇から零れる声は甘く掠れ、苦痛よりも強い快感を得ていることを伝えてくる。
「俊……、俊……」
桐谷は愛しい人の名前を呼びながら、何度も何度も中を突き上げた。愛しさと欲望の赴くままに。
俊は既に二度の絶頂を迎えていて、桐谷と自らの腹部に愛液をまき散らしていた。
桐谷も、もう長くは持ちそうになかった。
いっそう深く、強く、俊の中を突き上げると、思いのすべてを彼の奥深くへと放った。
「俊っ……」
「あっ……、先輩っ……」
桐谷の熱い精液を体の深い場所で受け止めた俊は、小さな悲鳴とともにもう一度絶頂を迎える。
桐谷は意識を手放そうとしている俊の耳元で囁いた。
「愛してるよ、俊……。別の道をオレと一緒に歩いてくれないか? ……おまえの家族にならせて……」
俊……、届いただろうか、オレの言葉は、おまえに……俊……。
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