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第66話 二人だけのクリスマス・イブ③
「ありがとう、俊……。それじゃいっぱい食べてな。クリスマス・イブだからケーキも買って来てあるし」
「わ。うれしい」
シャンパンを飲み干し、ケータリングのごちそうも平らげ、サンタクロースとトナカイの砂糖菓子が乗ったクリスマスケーキをはしゃぎながら食べた。
俊の退院祝いとクリスマス・イブを兼ねたパーティーを終え、二人して後片付けを済ませた途端、桐谷が俊をお姫様抱きにした。
「ちょっと……、先輩っ……降ろしてくださいっ。じ、自分で歩きますっ……」
初めて桐谷に抱かれた夜も、こうして彼に抱き上げられたことを思い出す。
あのときは怯えと戸惑いばかりが先に立ったが、今夜はただひたすら恥ずかしい。
無駄な抵抗と知りつつ、手足をバタバタさせてみたが、やはり難なく封じ込まれ、額に優しいキスをされた。
「……この前は乱暴にしちゃったけど、今夜はうんと優しくするから……」
耳元をくすぐるように囁かれて、まだなにも始まっていないというのに、俊は既に心も体もとろけてしまう。
寝室のベッドへそっと降ろされ、キスをされながらパジャマと下着をすべて脱がされた。
刺されたときの腹部の傷跡に桐谷の唇が触れる。
「ごめんな、俊。オレがいながら、また傷をつけちゃったな……」
「そんな……、これは僕がどんくさかったからだし。自業自得です……」
俊がそう言うと、彼はもう一度、傷跡に癒すようなキスをくれた。
桐谷も着ているものを全部脱ぎ捨て、ゆっくりと体が重ねられる。
触れ合う素肌がすごく熱かった。
桐谷の体の重みがとても愛おしい。
お互いの下腹部のそれは既に固く勃ちあがっていて、重なり合ったその部分から頭の芯がしびれるような快感が込み上げてくる。
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