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一太と初めての思い出つくり

「一太が怖がる。サングラスを外せ」 親父が腕っぷしのいい屈強な男たちを十人も護衛に寄越しやがった。どんだけ一太が可愛いんだか。しかも揃いも揃って強面の連中ばっか。顔が怖いと一太がビビり、泣き出さないか。それが心配だったが……。 「はよー」 一太は笑顔でみんなに挨拶をしていた。ぺこっと全身を使って頭を下げる姿がなんとも愛嬌たっぷりで可愛らしい。 「ぼけっと突っ立ってないで、お前らもちゃんと挨拶しろ!」 根岸に注意され慌てて頭を下げていた。 「一太はゆくゆくは龍一家をしょってたつ大事な跡目だ。くれぐれも失礼のないようにしろ」 「はい!」 一斉に返事が返ってきた。未知はあまりの迫力に面食らい目をぱちぱちしていた。一太も可愛いが、未知も可愛い。ころころと目まぐるしく変わる表情もそうだが、一挙一動、仕草が愛くるしくて見てて飽きない。一日中眺めていられる。 未知と一太に会わせてくれたんだ。たまにはお天道様に感謝しねぇとな。

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