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一太と初めての思い出つくり
俺が見ていることに気付いた未知。耳まで真っ赤にすると、もじもじしながら恥ずかしそうに俯いた。
「カシラ、もしかして……」
根岸もぴんと来たみたいだ。
「まさか未知のほうから先に告白されるとは思わなかったが、両想いになれた」
「イロとして囲うのか?」
「な訳ないだろう。未知にだけは母親と同じように辛い想いだけはさせたくない。離婚届にサインして那奈に渡した。未知と結婚して、一太に早く兄弟を作ってやりたいんだ」
「カシラ、分かっているとは思うが未知さんはまだ未成年だ」
「伊澤に逮捕されないようにしろってだろう」
「分かっているならいい」
越えなきゃならない壁が高いほうが俄然やる気になるし。燃える。未知と一太を守るためなら俺は鬼にでも蛇になれる。
「一太、おじちゃんと一緒にスイカ割りをするか?」
「うん‼」
「一太、おじちゃんじゃなく、パパって呼んでやれ」
「根岸、余計なことを言わんでいい」
「本当はパパって呼ばれたい癖に」
図星を突かれ何も言い返せなかった。
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