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俺の役割って、何②

「生理現象か。じゃあ、スッキリしたいよね」  え? と言う玲旺の疑問は、再び唇を重ねられたことで声にならなかった。  歯の隙間から舌を捻じ込まれ、それに気を取られているうちにベルトが外される。 「んー!」  じたばたともがいたら、まるでスラックスを脱ぐのを手伝うような形になってしまった。呆気なく剥ぎ取られ下着姿になると、布越しにでも玲旺の雄の形がはっきりわかってしまう。久我がそれを摩りながら、もう片方の手をワイシャツの下へ滑り込ませた。胸の突起に触れられて、ぞわっと毛が逆立つ。 どうしていいか解らず久我の唇から逃れて顔を背けると、今度は耳を吸われた。 「離せってば!」  キスしたいと思ったことはあった。  その腕に抱きしめられたいとも思った。  だけどそれは、こんな風に酒の力を借りてのものじゃない。そう拒絶しながらも、恋焦がれた男からの愛撫に体はどんどん反応していく。  それがひたすら恐ろしかった。今まで自分が優位に立てなかった恋愛は経験が無い。  下着をスルスルと下げられ抵抗したが、陰茎を握られ力が抜けた。そのまま上下に扱かれて、玲旺はたまらず悲鳴を上げる。 「ちょっ、やめろ! あッ、あぁ」  胸を刺激する指の動きも速くなり、初めこそくすぐったさが勝っていたが、段々と甘く痺れだした。下腹部に与えられる快感に耐えるだけでも精一杯なのに、同時に胸まで責められて玲旺は体をのけ反らせる。 「は、あ、ああッ」  これ以上はもうムリだ。  そう思った矢先、玲旺の竿にぬるぬるとした生き物のようなものが這い、ぶるっと体が震えた。それが久我の舌だと認識した瞬間、思わず吐精してしまいそうになり必死にこらえる。久我の端正な顔にぶちまけるわけにはいかない。 「あッ、あぁ。ゴメン、降参。謝るから、もうやめて……ッ」 「ん? それって『もうイキたい』ってこと?」  解っていながらとぼけているようで、先端から先走ってこぼれた雫を舐めとりながら、久我がニヤリと笑う。舌先がチロチロ動く度に、玲旺の腰も小刻みに震えた。 「も……限界……」 「いいよ、イッて」  久我が玲旺のモノを口に含む。強く吸引しながら頭を上下に動かし、そのスピードを徐々に速めた。 「あッ、あ! 出る!」  ビクンと大きく体が跳ね上がり、玲旺の精が爆ぜた。ドクドクと久我の口内に吐き出したのに、絶頂の渦中で敏感になった部分を更に吸い上げられる。「ふぁぁッ」と泣き声の様に情けなく喘いだ後、力が抜けて壁にもたれた。

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