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翌日、全く知らない人たちの集まりの中に混ぜられている俺がいた。 これは一体どういう状況?? 「…………」 「…………」 「……アミ」 「なに?」 「……これってさ」 「うん?」 「……所謂さ……」 「じゃあ揃ったので始めますねー」 俺がアミに問いかけていると、反対側の一番遠い席に座る全然知らない女子が声をあげた。 男子4人。女子4人。交互に座り、対面の席には異性がいる座り位置。 これは完全に、合─……いや、認めない。こんな面倒なところに来てしまったなんて、俺は絶対に認めない。つーか、アミには「ランチと買い物だからー。荷物持ちよろしくねー」なんてことを言われただけで未だに何の説明もない。 絶対裏があるとは思ってたけど、まさかこんな面倒な事にっ……! 「……ねぇ。ちょっと?おーいっ」 「……ぁ、え?何?」 アミにつつかれて、気付けば全員に見られていた。 「次、すーちゃんの番だよ」 「次って……何が」 「聞いてなかったのかっ!自己紹介!」 「……ぁ、あぁ……成崎です。」 苦笑い。無言。全く盛り上がらない空間。 考え事してたから俺だけ完全にテンションが違ったらしい。 「ご、ごめん皆!この人は成崎優!うちの幼馴染みで、急遽参加してもらったからまだ混乱してるみたいなんだよー」 「ぁ、幼馴染みなの?じゃあ“すーちゃん”って呼び方は、」 「うん、昔からのあだ名ー」 俺の目の前の席の、……なんかキラキラしてる女子にアミが説明する。 化粧してる顔とか、手の込んだ髪型とか、気合い入ってる服装とか…………諸々総合的に見て【女子】って感じの子だ。 綺麗な子だし、女子の集団の中だったら100%リーダー格だろうな。 「……じゃ、あの、一応、自己紹介全員終わったから……なんか、……質問とか、自由に話してこー!」 反対側の一番遠い席の、あの子が司会役なのか、俺がダメにした空気を立て直そうと明るく振る舞って話題を変えた。 盛り上がりかけてたであろう空気をダメにしたことは本当に申し訳ないけども。 俺は参加の意思なんて最初から皆無だよ。話したい人とか、聞きたいこととか特に無いし、そもそも自己紹介聞いてない時点で俺にとって皆は依然として他人なので興味もない。 何の説明も無しにこの場に俺を連れてきたアミが悪い。 自分の行動を正当化して、時間潰しのために持ってきていた小説を手に持った。 皆が向かいや隣りの席の人と談笑するなか、小説のページを捲った。 しかし、小説はアミによってすぐに奪われた。 「ちょっとぉ、本を読むなら空気読めっ」 「……上手くねえからな。てか、俺が空気読むの?そっちからの説明が先じゃない?これ何の集まりだよ?」 「マイちゃんの部活の、大会で知り合った人たちの集まりだよ?」 「……」 部活の大会の知り合いの集まり……?アミから言っても知り合いなら、俺からすれば赤の他人じゃねーかよ。つーか、マイちゃんって誰だよ。 「マイちゃんにうちも誘われたの」 「……じゃあここは2校の部活の集まりってわけ?」 「そーだね」 「……そのなかでも俺は全くの他校じゃん」 部活どころか、地域違うし、寮だし。 「……取り敢えず本返せ」 「やだ」 「おい」 「だって返したら読書するでしょー」 「しなくはない」 「ほら!駄目ー!」 「おいこらっ」 「駄目っ!!」 「いい加減に……アミっ!!」 「はいっ」「べーっ!」 ちょっと怒気を含めてアミに声を張ったら、別の女子が驚いたように返事をした。 「ん……?」 「……ぁ、ごめん、アミって、歩生(あゆみ)ちゃんのことかっ」 「あっごめん、だよね!?そうなんだよ、うちすーちゃんにアミって呼ばれてるの」 “アミ”に反応した目の前のキラキラ女子は、納得したようにアミと一緒に笑いあってる。 俺が呼ぶ“アミ”もまたあだ名で、本当の名前は原 歩生(はら あゆみ)だ。 このふたりがこんな会話をしてるってことは、まぁ、十中八九そういうことだろう。 「ふふ、そうだよね。さっき自己紹介聞いてなかったぁって感じだったし」 綺麗な顔を微笑ませて、その子は俺に向き直った。 「改めて自己紹介するね。私は、河村 亜美(かわむら あみ)。よろしく、優くん」 そっちが正式なアミだった。

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