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「もう最初から驚くだろうけど……東舘はな、入学した当初、優と同じノンケだったんだよ」
「はぁっ!!?」
開口一番、驚愕した。
宮代さんが言うのだから嘘はないんだろうけど……東舘さんがノンケだった!?それが今、3年となった今は超のつくド変態にっ!?1年の頃、本当に何があったんだ!?変わりすぎじゃない!?
「ぁでも……今の俺をノンケと言っていいのか……あっ、ゲイではないですけどっ!ほんとに!」
「……そこは取り敢えず置いておこう」
「……はい」
宮代さんに、俺ノンケじゃ無くなりましたって言うのはとっても心苦しいというか……
「入学したとき、俺は東舘と同じクラスでしかも隣の席。必然的にというか、流れで友だちになったんだ」
「あーそれで……納得っす」
お友だちになった経緯はこれで理解したけど……ノンケから変態になってしまうまでは想像が全くつかない。たった1年でそこまで変わるもんか?
「東舘は、凄く目立っててな」
「?」
「見た目が綺麗だって同級生からも先輩からも騒がれてたよ」
「……」
容姿で騒がれたのはあなたもでしょ。とは思ったけど、口には出さない。いちいち突っ込んでたら話が進まないからね。でも、絶対騒がれてたでしょ。宮代さんを、周囲が放っとくわけない。敢えて、敢えて言わないけどね?
「最初は東舘も困惑してたし嫌がってた。騒ぐ奴らにキレることも度々あったし」
「怖っ……」
俺がキレた東舘さんの姿を思い出して身震いすると、ふぅっと息を吐いて宮代さんは真剣な顔をした。
「……東舘は環境に悩んでたけど、……それでも好きだったバスケだけは続けたかったみたいで……バスケ部に入った。変な連中がついてくること覚悟で」
「うわぁ……近づく目的でバスケ利用すか?最低っすね」
「ほんとにな。邪魔してるって気付いてほしいよ」
その一言は東舘さんのことだけじゃなく、宮代さん本人の経験からくる感情も入ってるんじゃないかって、ちょっと思った。
「……その時のバスケ部で3年だった先輩と東舘は意気投合して、仲良くなったんだ。その人も周囲の声を鬱陶しいと思うタイプの人でな……東舘はその先輩に何かと相談してたらしい」
「へぇ。味方と趣味友、両方ゲットっすね」
追っかけを鬱陶しいと思うタイプってことは、その人もアイドル様だったってことか。
「その先輩は、話しは合うし、相談にも乗ってくれるし、東舘を追っかけから助けてくれるしで……当然、東舘は凄く慕ってたよ。」
頼れるくらい、慕えるくらいの存在っていうのは凄く有り難い存在で、その存在はとても希少なものだ。
ずっとひとりだった俺は、藏元に凄く救われたから、その存在がどれだけ大きくて大切か分かる。
「…………でも東舘は、そのうちその先輩に対して悩むようになってた」
「……悩む?」
「尊敬、友情以外の気持ちを持ってしまったから」
「ぁ……」
「ひたすら悩んでいたけど……この学校特有の空気に流されたんだろうな。…………ちょうど今くらいの時期に、東舘は告白した」
「ぇ……えっ……!?ちょ、ちょっと、……待ってください」
俺は途端に嫌な予感がして、慌てて話を遮った。
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