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第19話
「今日の放課後とかどう?」
『今日はバイト休みだから大丈夫!』
「バイトしてるんだ。何してるの?」
『近所のスーパーで品出ししてるよ』
「そうなんだ。今度覗きに行ってみよっかな」
『いやいやいやいや……』
しばらく他愛のない話をしているとチャイムが鳴った
「そろそろ戻らないとね。じゃあ放課後迎えに行くから教室で待っててよ」
『ここで待ち合わせしようよ!座る場所もあるし』
朔夜先輩が教室に来たらまた皆んながざわつきそうだ
「わかった。じゃあ後でね」
そう言って先輩と俺はその場で別れた
教室に戻ると、やはりチラチラと視線を感じた
朔夜先輩があいつに何の用……ってヒソヒソ声が丸聞こえだっての
「朔夜先輩と何話したの?」
隣の席の奴に話しかけられた
『別に普通の話だけど』
「お前凄いな。あの先輩と話せるなんて……一体どんな関係?」
「俺も気になった!」
「俺も!」
『いやっ別に……』
なんか色んな奴に机を囲まれてしまった
それと同時に改めて朔夜先輩が有名人なんだと実感させられたんだ
学校が終わり少し急ぎ目で待ち合わせ場所に向かうと、朔夜先輩はもう来ていてベンチに座っていた
うっ……なんて近寄り難いオーラなんだ
皆んなが色々言うのがよくわかる。本当に綺麗な人だな
こんな俺みたいな根暗オタクが気安く先輩と話してるだなんて。しかもタメ語で
いつか袋叩きに遭いそうだ
どう声を掛けようか悩んでいると向こうが俺に気がついた
「なんだ、来てたんだったら声掛けてよ」
『ごめんなさい』
「別に怒ってないからそんなシュンってしないでよ」
『すいません』
「謝らなくていいよ。ね?」
『はい』
「また敬語!」
『あっ……』
朔夜先輩は笑いながら俺の頭を軽く撫でた
ひゃっ!!こんなの誰かに見られたら何を言われるかわからんじゃないか!
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