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第35話
晩御飯は口実で先輩の目的はこれだったんだな
数枚の万札を財布の中にしまいつい溜息をついてしまった
や、正直お金が戻って来て凄く助かるけど……なんだかなぁ
「どうしたの?」
軽く引いてる……なんて言えない
や、俺の為にしてくれた事なんだから嬉しいよ?嬉しいけど複雑な気持ち。こういうのって言葉には出来ないんだよな
何の変哲も無い後輩にここまでしてくれる先輩なんて他にはいないと思う
『色々してもらったし、今度お礼させてよ』
「いらない……って言いたい所だけど次のデートの約束だね。楽しみ」
またデートって言ってるし
『えっと、金曜日とかどうかな?図書委員の仕事が終わってからになるんだけど次の日休みだしどう?』
「喜んで。俺も図書室行くよ」
『わかった』
そして先輩と次の約束をした
時計に目を向けてみると、もう日付が変わっていた
明日学校だしそろそろかな……
「さて、もうこんな時間だし……」
『うん』
「お風呂借りるねー」
『…………うん?』
な、なんか空耳が聞こえたような
『え、今日泊まるんですか?』
「そうだよー。着替えなら持って来てるし別に1日ぐらい学校の鞄なくても何とかなるでしょ」
つまり明日は一緒に登校すると言う事なのか?
着替えを持って来てるって初めから泊まる気満々じゃないか……なんてあつかましい
『あの……寝る場所ないんだけど。や、泊まるのは全然いいんだけど』
「憂は今夜俺の抱き枕〜♫」
『や、意味がわからん』
先輩は着替えを持ち、笑いながら風呂場へ向かって行った
『うーん』
まさか泊まるとは思ってなかった。それならそうと前もって言って欲しい
シングル布団に男2人はどう考えても無理だし何より男同士で同じ布団ってどーなのよ
シャワーの音を聞きながらからっぽの頭で何かいい案がないか考える
そうだ!
しまってあったコタツ布団を押し入れから出して来てシングル布団の隣に並べて敷いた
試しに寝転んでみて……うん、全然寝れる!コタツ布団大きめで買って良かった
後はバスタオルを丸めて枕にしてと……
そんな事をしているとタオルを首に掛けた先輩が風呂場から出てきた
濡れた髪の先輩は色気が半端ないな
「……何してるの?」
『これで寝る場所は確保できたからもう大丈夫!おれこっちで寝るから先輩はこっちのシングル布団ね』
「一緒に寝ようよ」
『狭すぎるから無理だって。我ながらいい考えだろ?さっき寝てみたけど意外と寝心地悪くなかったから先輩は何も気にせずゆっくりそっちで寝てよ』
「……チッ」
な、なんか舌打ちが聞こえたような
まぁいいや、俺も風呂入ってこよっと
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