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第41話
アパートの前まで車で送ってもらった
鞄は午前中に探しておくから明日午後にでも学校に直接来るか、連絡手段があるなら電話を掛けてくれと先生に言われた
ゲーム機はともかく携帯がなかったら困る
部屋の鍵も鞄の中だけど、鍵は大家に言えば何とかなる
血だらけの服のままだと色々ヤバイからって先生が肩にかけてくれたジャージをそのまま貸してくれたから助かる。ブカブカだけど
えっと、大家さんの部屋は…………
ん?
妙な違和感を感じた
遠目だし暗くてよくわからないけど、自分の部屋の前に誰かが座り込んでいたんだ
「……!」
その人物は俺の方を向くなり急に立ち上がりこちらに向かって猛ダッシュして来た
『え?うわっ!!』
馬だ!!馬が来た!!
「良かった!帰って来た!!」
『え?え?あ、朔夜先輩?』
猛ダッシュして来たのは馬じゃなくて朔夜先輩だった。や、暗い中本当いきなり走って来られるとマジでびびるって
『どうして……ち、ちょっ!』
飛びかかるように来た先輩に思いっきり抱き締められた
『痛い!!』
「あ、ごめん」
直ぐに離してくれた
「何処に行ってたの!?」
『や、学校にずっといたけど……あ!今日約束してたのにドタキャンになっちゃって本当にごめんなさい』
「ええっ!?学校に居たの!?どこ!?」
『ごめん、取り敢えず部屋の中で話すよ。鞄がなくて鍵がないから大家さんに言わないと』
「鞄?鞄ならあるよ。ほら」
そう言って指差す方を見てみると、部屋のドアの前に鞄のような物が置いてあった
何故……でも鞄があって良かった!
「俺が持って来たんだよ。図書室にも教室にも何処を捜しても憂いなかったし学校閉められちゃうからさ。本当校舎の何処にいたの?」
『えっと、鞄ありがとう。取り敢えず中に入ろう』
「何そのジャージ!ぶかぶか!誰の!?」
『運動部の顧問の先生のジャージ』
「何で先生のジャージなんか着てるの?」
『えっと……ちょっと待って』
部屋の中に入ると朔夜先輩からの質問攻めの嵐に遭った
着替えようとしてジャージを脱ぐと先輩からの質問攻めが悪化した
「ちょっ!!何で血だらけなの!?何!?湿布だらけ!!どうしたの!?何があったの!?怪我したの!?誰にやられたの!?いつ!?一体何があってどうしてそんな事になってるの!?運動部の顧問?運動部の顧問なの!?」
『ちょっ落ち着いて!』
先輩がパニック過ぎるおかげで逆にこっちが冷静になってしまう
部屋着を出して着替えようとして服を脱ごうとしたけど更にパニックになりそうだったから脱衣所で着替える事にした
脱いだ服を見て溜息が出る
こりゃ買い直しだな……
さて、これから説明が大変そうだ
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