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第50話
梯子を登ってて足を滑らして落ちそうになる夢を見て体がビクッとなった
『……やべ!!』
そして知らない間に落ちていた事に気が付いた俺は慌てて飛び起きた
「び、びっくりしたー、起きたの?」
側には先輩がいて手には本を持っていた
『もしかして俺寝てた!?ごめん先輩!』
「疲れてたんだね。まだ寝てても良かったのに」
『や、初めてお邪魔させてもらっといて爆睡ってやばいって』
「いいよ。リラックスしてくれてるって事じゃない」
『いやー……』
一体どれぐらい寝てしまってたんだろう
チラッと時計を見てみるとえー大体1時間ぐらい?
良かった、そこまで眠り込んではいないようだ
いや、寝てしまう時点で駄目だろ
そう言えば晩飯……
「食べれそう?」
『うん。ありがとう』
温め直してくれた料理はどれも美味しそうな物ばかりだった。先輩ぐらい上手いと自分の店とか普通に持つ事が出来そう
食器も高そうでお洒落な物だった。俺んちにある100均の物とは大違いだ
食欲旺盛な俺だけど、スープに入ってたセロリだけはどうしても食べれなくて最終的に残しちゃった
『ごめん、ご馳走様でした』
「いいよ、また1つ憂の事が知れたし。次からはセロリを抜いた物にするね」
セロリのあの独特な味が駄目だった
最初はその物体が何かわからなくて先輩に教えてもらったんだ
さっき何も出来なかったからせめて片付けだけはしようと思ったけど、先輩は食器類を全て食洗機の中へ入れた
「あとは機械にお任せ」
『便利過ぎる』
これがシステムキッチン?ってやつ?
ボタン1つで洗い物が出来るなんて凄過ぎる
引き出しの中に食洗機だなんてのび男の机の引き出しにタイムマシンと同じような感じじゃないか
暫く食洗機の前でしゃがみ込み、音を聞いた
おおっ!ちゃんと水の音がする!
ガションガションって洗ってる洗ってる……
「何してるの?」
『科学の発明に感動してる』
「何それ」
こんな便利な物を見てしまうとますます家事をするのが嫌になる。俺んちには無い物ばかりで羨ましすぎ
食洗機か……自転車も買わないといけないし欲しい物がまた増えたぞ
俺は溜息を吐きながらリビングに戻った
一緒にテレビ観たり色々喋ったりしてたら結構いい時間になっていた
『そろそろ帰ろうかな、先輩今日も色々ありがとう』
「帰るの?良かったら泊まっていきなよ」
こんな豪邸に泊まれる機会なんてないかも知れない。だけど、俺は……
『いいの!?……って言いたい所だけど今日は帰るよ。また今度泊まりに来てもいい?』
「……そう言えば何かゲーム買ってたね。いいよ、じゃあ送るね」
先輩は何かを察したのかそう言い、車のキーを手に取った
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