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第58話

尾澤会長の話を聞いた朔夜先輩は激しく激怒した 『ちょっ先輩落ち着いて!!』 「どうして俺を連れて行かなかったんだ!?そいつの所へ今すぐ連れて行け!!」 「私はただ気になっただけで……っ!朔夜!とにかく座りなさい!」 尾澤会長と2人がかりで朔夜先輩を必死に押さえた まさか朔夜先輩がここまで怒るなんて思いもしなかった 「朔夜!」 「退け尾澤!」 『先輩っお願いだから落ち着いて!……いっ』 「憂?」 つい歯を食いしばってしまったせいで頬がズキっと痛んだ ハッとする先輩 「ごめん……大丈夫?痛む?」 「傷口が開いてしまったみたいですね。朔夜、そこにあるハンカチをお願いします」 「……わかった」 ほんの少し落ち着きを取り戻した先輩に肩を抱かれソファーへ そして朔夜先輩は俺の口元にハンカチを当ててくれた 「……痛いよね。可哀想に」 『やられちゃった。あはは』  「笑い事じゃないよ。どうしてこんな事に……」 『えっと……ただの喧嘩だよ!俺もムカついちゃってさ』 「憂は喧嘩なんか出来ないでしょ」 『そ、そんな事ねーし!俺だってやる時はやるし』 「嘘が下手過ぎ」 「その怪我は朔夜の為ですよ」 『ちょっ尾澤会長っ!』 余計な事言うなって! 「本当?」 『や……だって先輩を利用しようとするなんて普通に腹立つじゃんか。あー思い出しただけでまた腹立って来た』 「利用?何?」 『先輩の事を紹介してくれって言われたんだ。けど明らかに金目当てで……それにあいつ、俺の体の痣の事先輩がやったんじゃないかって。まぁそれ言われる前には既に殴られちゃってたけど。元々俺の事気に入らなかったらしいし』 「俺のせいだね……」 『先輩のせいじゃない!ただ俺が勝手にムカついて生意気な事言っちゃって……弱いくせに何やってんだか』 「……大丈夫、金目当てな奴は今まで沢山見てきたから。俺の為に怒ってくれてありがとう。どうしよう、凄く腹が立ってるのに凄く嬉しい」 『えっ……』 ぎゅっと抱き締められた それと同時に先輩の匂いがしてきて、カーっと自分の顔が熱くなるのを感じた 「……んんっ!!」 尾澤会長が気まずそうに声を出す 『先輩、肩痛い……』 「え?あっごめん」 「とにかく、この件は私に任せて下さい」 「何言ってるの?そんなの俺の気が収まらない」 「私の知らない所で何をしようが朔夜の自由ですが、知った以上私も見過ごせませんので。暴力はいけません」 「尾澤は甘過ぎる」 「私には私のやり方で……数日の猶予を私に下さい」 「その間にまた何かあったらどうするの?俺は今すぐにでも」 「憂君、頑張れますか?」 『大丈夫です』 俺はそう強く返事をした このままだと朔夜先輩が何をするかわからない 校内で暴力沙汰はヤバい。しかも生徒会長が見てる前だなんて 「強い子ですね。私もなるべく早く頑張りますから」 『はい』 尾澤会長は優しく微笑み俺の頭をそっと撫でた 「!!」 『ちょっ!』 朔夜先輩はものすごい勢いで尾澤会長の手を弾いた だけど、会長は手を摩り怒らずに苦笑いするだけだったんだ 「朔夜、あまり憂君を困らせてはいけませんよ?」 「わかってるよ」 『ん?』 2人の会話が俺はいまいち理解が出来なかった .

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