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第62話
今日も絡まれんのかな……次の日、内心ドキドキしながら学校へ向かった
ってか朝起きたら口元の痣がエグい事になっていたんだ
紫過ぎるからおばちゃんから貰った湿布で隠していざ出陣
だけど、教室の中にはあいつは居なかったんだ
良かった。休みみたいだ
「憂!お前その顔どーしたんだよ!」
『え?ああ、お前昨日サボってたんだよな。実は……』
俺は俺の身に起きた色々な話を颯太にしてやった
他の奴に聞かれたくないからヒソヒソと。
体育館倉庫に閉じ込められた話とか昨日殴られた話とか……
本当に色々あり過ぎて何をどう話せばいいのやら
「俺がいない間にそんな事が……」
『うん、なかなかヤバいだろ?』
「ってか誰だよ鍵掛けた奴!」
『それがわからないんだ。ほら、そん時暴れて出来た痣がまだ残ってるんだ』
俺は服を捲り痣を颯太に見せた
「うわぁ……グロ。だから暑いのに長袖だったんだな、変だと思った」
『これでも少しマシになって来たんだけど。でも更に目立つ痣が口に出来ちゃったから参るよ』
「しかし許せねーな!確か入学してすぐ問題起こした奴だろ?俺がいればそんな事絶対させなかったのに!ちくしょー、あいつ今日休みかよ。文句言ってやろーかと思ったのに!」
『やめとけって。でも尾澤会長と朔夜先輩が助けてくれたんだ……この件も尾澤会長が何とかしてくれるって』
俺がそう言うと、颯太は驚いたような顔をした
「お前、尾澤会長とも……?」
『ん?何が?』
「ヤバ過ぎるだろ。朔夜先輩に尾澤会長、あの2人がどれだけ……何でお前ばっかり」
『し、知らねーよ!確かに2人とも凄いと思うけど何もそこまで……』
「そう言えば朔夜先輩とはどうなったんだ?」
『どうなったって?』
何が?
「だから恋愛的な意味で……」
『恋愛的?何言ってんだよ』
「俺が思うに先輩は絶対憂の事好きだと思う!」
『や、俺男だし』
「恋愛に性別は関係ない」
『そうなんだろうけど……あの美貌で男が好きとかないだろ。ましてや俺とか絶対あり得ない!逆に先輩に失礼だから変な事言うなよ』
「お前は恋愛経験が無さ過ぎるからなぁ……俺だったら先輩に優しくされた瞬間に間違いなく惚れる自信はある!だってあの朔夜先輩だし……性別とかどうでもよくなるっての。
因みに憂は先輩の事どう思ってるの?」
『俺?俺は……先輩みたいな人になりたいって憧れはあるよ』
「違うってそんなんじゃなくて恋愛的な意味で!あっ男だからとかはなしな!」
颯太は一体俺から何を聞き出そうとしてるのやら……
ここでチャイムが鳴り、話の続きは授業が終わってからな!と言い颯太は自分の席へ戻って行った
どう思ってるって聞かれてもなぁ……
授業中、颯太に聞かれた事をずっと考えていた
恋愛的な意味で俺が先輩の事をどう思ってるのか
確かに先輩は凄く魅力的だ。カッコ良過ぎる
先輩といると楽しいし、いなかったら何か寂しいし……会いたいって思ってしまう
最近の出来事を思い出しながら先輩の事を考えると、段々と胸が騒がしくなって来たのを感じた
な、何だ
何だこれは……
授業が終わって俺はさっきの事を颯太に言ってみた
すると颯太は見た事ないようなニヤニヤ顔で俺を見つめて来たんだ
「憂、それは恋だ」
『恋?』
「お前は先輩の事が好きなんだよ」
俺が先輩を……好き?
まさか
「先輩の事を考えると胸が騒つく……つまりドキドキするんだろ?」
『うん。でも体調が悪いだけかも』
「んな馬鹿な事あるか!」
『仮にだ、俺が先輩を好きだとする。じゃあ俺ってホモじゃん!颯太は友達がホモでもいいのか?』
「いいんじゃね?じゃあ逆に憂は俺が男の事好きって言ったらどう思う?」
『別に何とも思わない。だって友達だし』
「そう言う事だ」
『…………』
そうか
俺は初めて自分の気持ちに気付いてしまったのかも知れない
最近何か変だと思っていたら……
俺は朔夜先輩が好きなのか
『だけど先輩は俺の事何とも思ってないって。それは颯太の勘違い!』
「もし先輩が本当に憂の事が好きなら俺はお前をとても誇らしげに思う。何せ相手はあの朔夜先輩だ、大物過ぎる」
『ないない!』
平然を装ってる俺だけど本当はドキドキし過ぎてヤバかった
どうしよう、今日放課後先輩と会う約束してるのに
意識すればする程自分の気持ちが明確になって行ってて……
気付かれないようにしなくてはいけない
俺の気持ちを知ればきっと先輩は離れて行ってしまう
そんな気がするんだ……
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