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第65話

授業が終わって急いで帰り支度 担任のくだらない話が長引いて若干遅くなってしまった 下駄箱までダッシュし靴を履き替えて学校を出ようとした時反対方向に銀髪がチラッと見えた あれ? あれは……朔夜先輩だ!だけど誰かといるみたい 「おい、アイツまじで朔夜先輩に告ってるぞ。あんな人目につく場所でよくやるよな」 「相手にされねーって」 ……え? 俺とほぼ同時に学校を出ようとしていた2人組の会話が耳に入って来た 無意識にダンボになる俺の耳 先輩が告白されてる……!? 慌てて先輩の方を見てみると、先輩の姿はもうなくて一緒にいた男の人だけが残されていたんだ 帰ってすぐに用意をして先輩に連絡した 何だろう、凄くモヤモヤしてる 先輩は性別関係なしに超モテるのはわかっている だけどその現場を見てしまうと何だかなぁ…… 遠目で何言ってるか全然聞こえてないけど 「おまたせ」 先輩は車に乗って迎えに来てくれた 格好良過ぎ 「あ、この前買った服着てくれてる!嬉しいな……うん、よく似合ってるよ」 『ありがとう、サイズもぴったりだった。んで行き先は?』 「俺んち」 『えっ?』 何故…… 「口元、目立つしあまり出歩きたくないでしょ?」 『!!』 そう言って俺の頬に先輩の手が触れた 『あっえーっと……や、俺の事は気にしなくてもいいって。せっかく着替えたんだし車で来てくれてるんだしどっか行こうよ』 「そう?んー俺は憂と一緒なら何処だっていいんだけどな」 『先輩って言う事ホストっぽい』 「ええー?どこが?」 『全てが!』 「じゃあ今夜憂を口説き落とそうかな」  『え!!』 先輩はクスクス笑うと俺から手を離し車を走らせた 全く……先輩の言う冗談は今の俺には刺激が強すぎる  そして先輩に連れて来られた場所は少し離れた場所にあるちょっと大きめのスーパー 俺のバイト先とは違い店内に100均とか薬局とか色々入ってて凄く便利 「ここ初めて来た」 『俺も初めて来た。確か少し前にオープンしたばかりだと思う。パートのおばちゃんがこの間言ってた』 「そうなの?適当にネットで検索してみたら出てきたからさ」 『ふーん』 だからさっきナビをいじってたのか 車を降りて店内に入ったけど初めて来た店だったから中の配置が全くわからなくて先輩と2人でひたすらウロついた 『あれ?食材買うの?』 「そうだよー、このまま買い物して俺んち行こうよ」 『ま、まぁ先輩がそう言うなら……』 「因みに今日は何がいい?」 『何でもいいの?』 「いいよ」 『先輩んち鉄板ある?』 「鉄板……ホットプレートならあるけど」 『じゃあお家焼肉!』 「焼肉??店のじゃなくて?」 『あっでも部屋の中焼肉臭くなるか……やっぱいいや』 焼肉は諦めて他を考える事にした つい無神経な案を言ってしまった。流石にあの部屋で焼肉はいかんだろ、煙ヤバいだろ えーっと、どうしようかな 俺が悩んでいると、先輩はスタスタと精肉コーナーへと向かって行ったんだ 『先輩?』 「せっかくだからいい物にしよう」 と言い、次々と霜降りが沢山ある焼肉用高級お肉様を値段も見ずにポンポンとカゴに入れた 1つ手に取り値段を見てみるとひっくり返りそうになってしまった ちょっ!マジっすか! 「勿論野菜も忘れずにね」 .

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