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第67話

案の定先輩んちの浴室は凄かった ボタン1つでお湯が溜めれて風呂が沸いたら音楽が鳴って教えてくれてしかも勝手にお湯も止まってて……何あれ湯量も調整出来るって凄すぎでしょ やたら鏡もデカかったし浴槽なんか俺だと余裕で寝転べちゃうぐらい広かったし それにシャンプー類なんかあれ何?見た事ないお洒落なボトルに入ってたけどわざわざ入れ替えてんのか? それに比べて俺んちの風呂は全てが手動だ 蛇口も昔ながらのひねるやつだし勿論お湯は勝手に止まる訳ないし 浴槽も俺でさえ足を曲げて入らないといけないぐらい狭いし鏡なんかねーし シャンプー類も酷い時は詰め替え用をボトルにも入れずそのまま使ってる時あるし この間先輩俺んちの風呂入ったけど、今更何だか物凄くごめんなさいって感じ…… 先輩は何も気にしてないだろうけどね 『お風呂ありがとう、超満喫しちゃった』 「シャンプーとか大丈夫だった?どれがどれとか言い忘れちゃってて」 『あー何とか大丈夫だったよ。1度間違えてボディーソープで頭洗っちゃったけど』 「やっぱり」 『あはは、でも全然平気』 先輩が用意してくれてたバスタオル ふかふか具合が気持ち良すぎてずっと首に巻いていたい 「ドライヤーは?」 『自然乾燥で!』 「まぁ冬じゃないから大丈夫か。じゃあ俺も入ろっかな」 『いってらっしゃい!あ、先輩上がるまで適当にテレビ見てていい?』 「いいよー。あ、冷蔵庫の中に色々入ってるから勝手に開けて好きなの飲んでてよ」 『うん!』 そうして次は先輩が浴室へ向かって行った 冷蔵庫…… じゃあお言葉に甘えて何か貰っちゃおっかな 上機嫌な俺はルンルン気分でキッチンへ向かい、俺んちよりもはるかに大きい冷蔵庫を開けさせてもらった 『……』 わー何この調味料の数 先輩んちの冷蔵庫は食材達の宝箱だな その中に色んな種類の飲み物も見つけた さてさてどれにしよう 幾つかあった缶の中に見た事がない飲み物を見つけた それを手に取りじーっと眺めた スーパーの品出しバイトしてるけどこれは初めて見るなぁ…… 何て書いてあるんだろう?全部英語だからわかんないや 興味本位でそれを飲む事に決めた 先輩んちにあるジュースだから絶対旨いに決まってる! 飲み物が決まり俺は再びリビングに戻った さてさて喉も乾いてるし早速ジュースを頂くとしよう …………ん? ひと口飲んでみると不思議な味がした 何だろう、全部英語だからきっと海外のジュースなんだろうけど へぇ、日本のジュースとはやっぱ違うな 不味くもないし美味しくもないしとにかく何か変わった味がする 飲めない事はないけど……んん?? せめて何味なのかわかりたくて、俺はゴクゴクとその不思議な飲み物を飲んだんだ けど、それがまさかお酒だったなんてね 「おまたせー憂?」 しばらくして朔夜先輩が風呂から上がりリビングにやって来た 『先輩おそーい』 「ごめんねー……って何でそんなに顔が赤いの?」 『んー?なにがぁー??』 そうなのだ 未成年だし、お酒と言う物を1度も飲んだ事がなかった俺はたった1本で完全に酔っ払ってしまっていたんだ .

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