70 / 184

第70話

ふと目をあけると、俺はマシュマロみたいにふわふわした布団に包まっていた 『…………?』 ぼーっと白い天井を眺めてると徐々に目が覚めて来た ここは寝室か? ベッド…… 広っ!!何これキングサイズ!? 『!?』 そして俺のすぐ隣で眠っている朔夜先輩を見つけ血の気が引いた 昨夜俺はとんでもない事をしてしまったような気が…… 現実だったのか夢だったのかわからないけど先輩とめっちゃキスしたような気がする 気がするって事はやっぱり夢だよな? 俺まだ誰ともキスした事ないし、何より先輩みたいな人が俺みたいな奴とそんな事するはずないし や、夢にしてはやたらリアルだったけど…… いやいやいやいやまさかそんな有り得ないって きっと先輩の事が好きだと自覚してしまったからそんな夢を見てしまったんだ そうに違いない 『あーー頭が痛い』 「……大丈夫?」 先輩も目を覚ましたみたいだ いかんいかん、俺がゴソゴソしたせいで起こしてしまったみたいだ 「おはよう」 『おはよう……えー、先輩が俺をここに運んでくれたのかな?』 「覚えてない?」 まだ少し眠そうな先輩の反応を見てやはり昨日のアレは夢なんだと思った な、なんか先輩を見ると恥ずかしくなってしまう 『目が覚めたら何故かここに居るって感じ?』 「ふーん………………そっか」 何か変な間があったけど俺何かやらかしちゃったのかな 『あの不思議な味のジュース……あれってお酒だったんだよね?あああ、未成年で飲酒をしてしまった』 「知らなくて飲んじゃったんだから仕方なくない?」 『そうだけど……でも何で先輩んちにお酒が?』 「ああ、試供品で貰ったからお肉に漬け込もうと思って置いてたんだよ。ごめんね、俺もうっかりしてて退けるのを忘れてたから」 『そうなんだ。そうとは知らず飲んじゃってごめんなさい』 「謝らなくていいよ。俺が完全に悪いし」 枕に顔をうずめた先輩 寝癖もついててなんだかちょっと可愛い 『えー確かアニメも見てたような気がするんだけど……何だっけ?あっ!!!』 「何?」 『先輩!学校!』 「ああ、今日はもういいんじゃない?」 『でも……』 「たまには俺と一緒にサボっちゃおっか?」 またそんなドキドキするような事言っちゃって 確かにさっきから頭痛がするしなんか超体が重だるいし……うん、サボろう 『でも尾澤会長に怒られないかな』 「ん?誰が?」 『先輩が……』 「くっくくく……」 また枕に顔をうずめて今度は笑い出した  『何で笑ってんの?』 「いや、俺が尾澤に怒られるかもって心配してる憂が可笑しくて」 『何でさ!』 「んー?可愛いなーって」 先輩は体を起こし、俺の髪に指を通して来た 『……またそんな事言う』 「だって可愛いんだし」 『絶対ジム通ってやる』 「えー」 目標はプロレス並みの筋肉だ! .

ともだちにシェアしよう!