87 / 184

第87話

連日先輩んちお泊まり 着替えだけ取りに帰ると言ったら、先輩がいつの間にか洗濯していてくれたんだ 服の裏に滲んでた血も綺麗サッパリと消えていた 先輩の主婦力は相変わらず凄過ぎる そして現在晩御飯を食べながら先輩と雑談 「今日も憂と一緒に居られるなんて幸せだな」 『ん、だけど明日昼前には帰るね』 「……何で?」 『バイトだから』 「夕方からじゃないの?」 『明日は昼からバイト。本当は休みだったんだけど代わって欲しいってこの間言われて代わったのさっき思い出してさ、危うくすっぽかす所だったよ』 「……すっぽかしちまえ」 『代わりに入るんだから絶対ダメだって』 「怪我人なのに」 『まさかこんな怪我するなんて思ってなかったし今更交代してもらう訳にはいかないし仕方ないよ』 「……無理しちゃダメだからね?」 『大丈夫、無理しない程度に頑張るよ』 「うん」 本当は明日もずっと先輩と一緒にいたい 残念だな……こんな事なら代わらなきゃ良かったなーなんて思ったり 食事の後は再び地獄のシャワータイム 朝シャワーしたけど、夜に済ませとけばその分明日の朝風呂入らなくていいから先輩と一緒にいられる時間がちょっとは伸びるかなーって1人で考えちゃったり…… 「……どうしたの?早くおいで」 ベッドの中で先輩が手招きする 『う、うん』 今更だけど先輩と同じベッドで寝るとか恥ずかし過ぎなんだけど 「そんな端っこじゃなくても……しかも背中なんか向けちゃってさ」 『え?』 「もっと近くに来て」 『や、せっかく広いベッドなんだし俺が寄ると狭くなるから』 「広いベッドだからこそ端なんかで寝ないでさー……憂が来てくれないなら俺が行くよ?」   『……!』 俺の直ぐ後ろに先輩が来た 「こっち向いて?」 『無理……』 「どうして?」 『だって……恥ずかしいじゃんか』 「煽る様な事言わないでよ」 『えっ?』 後ろから抱きしめられた 「痛い?」 『だ、大丈夫……』 心臓がバクバク聞こえて来る これは俺の……?それとも…… 「ねぇ、こっち向いて」 『……』 ゆっくりと先輩の方に体を向け先輩と向き合った 顔が近い…… 恥ずかし過ぎてどこを見ればいいのかわからなかった 今の俺は間違いなく顔も真っ赤だし何とも言えない表情をしてると思う 先輩は体を起こし、上から俺を見下ろして来た そして、そっと俺にキスしたんだ 『…………っ』 「……力入ってるって」 『だ、だって!……っ』 また何回もキスされ、頭がのぼせ上がり過ぎてぼーっとしてきてしまう 『せ、先輩……』 「明日出来ない分」 『えっ?んんっ』 また先輩が舌を絡めてきた 自分の息遣いが徐々に荒くなって、苦しいのに気持ち良くて…… 『はっ……んっ』 「……好き」 えっ…… 唇が離れた時、先輩は俺の頭を優しく撫でながら言ったんだ 「憂、好きだよ」 その瞬間、俺は泣いてしまった 「どうして泣くの?」 『だ、だって……先輩が俺の事好きって……』 信じられなかった 先輩に好きって言ってもらえるなんて思ってもいなかったから 「憂は?」 『え……』 「憂は俺の事好き?」 『うん……俺も先輩が好き』 「嬉しい」 照れ臭そうに笑う先輩を見て胸がきゅーって締まるような感じがした 俺も先輩が大好きだ…… 力が抜けたように先輩は隣に寝転がり、また俺をぎゅっと抱きしめた 「幸せ過ぎてヤバいね」 『俺も…………んっ』 また何度もキスを繰り返した こうして俺達は付き合う事になったんだ 俺はもうただの後輩じゃない 先輩の恋人になったんだ…… .

ともだちにシェアしよう!