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第154話

「そう言えば下の名前なんて言うんだ?」 「名前ですか?……孝浩ですが」 「孝浩……ふーん」 「あの、そう言えばどうして私をここに連れて来たんですか?」 ふと気になった事を聞いた 「理由がないとダメか?」 「いえっそんな事はありませんが気になって」 「そうだなー、強いて言うなら下心?」 「正直な人ですね」 「だろ?」 自分も強く抱き締め返しこう答えた 「勝哉さんだったら……私は別に構いませんよ」 「……」 静かになった時、ポツポツと雨の音が外から聞こえて来た 「夕立ですかね」 「そうだな」 「傘、持って来てないです」 「止むまで居ればいいんじゃね?」 雨の音は次第に強くなっていき、私達はその音を聞きながら互いに服を脱がし合った 唇と唇が重なって、肌と肌が触れて…… 不安を感じさせないような安心感に包まれた ああ、私はこの人が好きだ この時初めて自分が勝哉さんの事を好きなんだとはっきりと自覚した 「んっ」 「痛むか?」 「大丈夫です……」 まるで壊れ物を扱うかのように優しく触れてくる手に自分の指を絡ませた 「体、平気か?」 「ええ大丈夫です」 心配してくれる勝哉さんにキスをし、服を着た 「お前って……」 「ん?」 「意外と大胆だな」 「そうですか?」 「無自覚かよ」 「……そういうのは嫌いですか?」 「いいや、いいんじゃね?」 後ろから優しく抱き締められた 「勝哉さん、凄く体が熱いですね」 「ん?あー運動した後だからな」 「運動……」 「あ!変な意味で捉えんなよ!」 「わかってますよ」 「雨、まだ止みませんね」 「そうだな」 「余り遅くなると心配を掛けてしまいますから。勝哉さんの家族の方は?」 「姉貴は彼氏んち、ババアはいつも遅せぇから大丈夫だ」 「またそんな呼び方をして……」 「帰りは送ってってやるから心配すんな」 そう言ってまた私にキスをした 「……じゃああと少しだけ」 そう言って勝哉さんの上に跨り、今度は私からキスをして抱き締めた .

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