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第163話
最初は俺の実力を見る為に朔夜が1年の教科書を見ながら色々と問題を出してくれたんだけど色々と大変だった
『ごめん、この漢字とこの漢字が読めない』
「それも後で覚えようね」
『うん』
「余り時間がないから重要な所だけ集中して暗記するよ」
『重要な所?』
「さっき電話して憂の担任からテスト範囲とか色々聞き出したから」
『そ、そうなんだ……』
いつの間に……
「最低でも赤点だけは免れよう」
『わかった!』
「もしいい点取れたら……憂の言う事何でも1つ聞いてあげるよ」
『本当?』
「本当」
俺の言う事か……何にしよう
うーん、んー……
「ほらほらまた後で考えなよ」
『わ、わかった』
「じゃあ次はこの空欄に入る言葉は次のうちどれになると思う?」
『えっと……これはどう言う意味なの?後これとこれも。漢字だらけの難しい言葉過ぎて何言ってんのかわかんないや』
「……」
俺の理解力の無さに朔夜の方が頭を抱える事になるとは思いもしない
次の日、俺は初めて真面目に授業を聞いたのかも知れない
テスト前だからと言う理由で先生が復習的な授業をやってくれたんだ
朔夜がこれだけは絶対に覚えてって言ってた部分がそのまんま授業に出た
流石朔夜先生だ
「何真面目に書いてんだよ」
勝哉さんが俺のノートを覗いてきた
「チビ助が勉強してやがる……」
『赤点だったら夏休み補習ですよ!』
「赤点だぁ?んなもんどーでもいいわ」
『そっか……今勉強しなくても勝哉さんも尾澤会長に教えて貰えますもんねっ』
「おいコラ、そこで何であいつの名前が出てくんだ?ああ?」
『い、いや別に。実は昨日から朔夜に勉強教えてもらってて……』
「そーなのか?」
『はい!泊まり込みで!』
「泊まり込みねぇ……成る程、勉強っつーのは口実だな」
『口実?』
「何でもねーよ。週末颯太郎と釣り行くけどお前も行くか?」
突然のお誘い。だけど……
『すいません、めっちゃ行きたいんですけど週末は特に朔夜から追い込み掛けられそうで……』
「無視しろ無視!」
『それはマジで出来ないですごめんなさい。また今度一緒に連れてって下さい』
「即答かよ。ったくつまんねー奴だな」
『あはは……』
そうだ!
いい点取れるかわかんないけど一応それまでに朔夜に何してもらうか考えとかないと
そう思うと、俺のやる気も徐々に上がる
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