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第170話
それから勝哉さんが戻って来て再び3人で釣り再開
だけど釣れるのは皆んな同じような魚ばかりで……
「何だまたこいつか」
「勝哉さんの事好きなんじゃないですか?」
「ああ?口に突っ込んでやろうか?」
「いらないっす!逃がしても逃がしても同じ種類の魚ばっかだから同じ奴が戻って来てるみたいで変な感じっすね」
「まぁな、お?浩介引いてんぞ!」
「え?あっ!本当だっ!ってか何これ超重っ」
浩介君が釣り上げた魚……
小さめだけどそれは綺麗な鯉だった
「スゲー!鯉なんて釣った奴初めて見た!」
「でけぇな!よく竿折れなかったな」
「や、俺も初めてっす。釣れるもんなんすね」
「やばいやばい早くリリースしないと死んじまう!」
こんな綺麗な鯉を弱らせてしまっては大変だと俺と浩介君の2人で超慌てた
勝哉さんは相変わらずのんびりしてたけど……
「そろそろ帰るかー」
勝哉さんが言い出した
「そうですね。明日テストだし」
「え!?颯太君達の学校は明日からテストなの!?」
浩介君は俺達の話を聞いてかなり驚いていた
「そうなんだよー、学校早く終わるのは有り難いけどダルいよな」
「俺の学校は先週テストだったけど……えっ釣りなんかしてて大丈夫だった?」
「大丈夫大丈夫!ねぇ勝哉さん」
「おー!テストなんか名前だけ書いてりゃ何とでもなる」
「そうそう!」
「そ、そうなんスか……」
「浩介君はまだいるの?」
「あー……俺も帰ろっかな。スゲーの釣ったしキリがいいから」
「じゃあ一緒に行こう!」
こうして途中まで浩介君も一緒に帰る事になった
「おめぇよく喋るしいい奴だな!気に入った!」
「ははっあざーっす!」
「マジであの鯉凄かったな!俺のナマズなんか比べ物にならねーしっ」
「ナマズ!?そんなのも釣れるの!?」
「この間あそこでナマズ釣れてさー!こんぐらいのでっかい奴」
「すげぇっ!」
「おめーらばっかいいもんばっか釣りやがって!ちくしょーまたリベンジしてやる」
「勝哉さんはブルーギルの親分ですもんねっ」
「ああっ?てめぇ調子乗るんじゃねーよ!誰が親分だよ!!」
「あはは……」
わいわい今日の成果を3人で話し合う
「じゃあ俺はこっちだから……颯太君、勝哉さん今日は色んな話が出来て楽しかったっす!」
「おー気を付けて帰れよ」
「浩介君今日は色々ありがとう!」
「全然!じゃあまた……」
別れの挨拶をし、浩介君は俺達とは別の道へ帰って行った
……あっ!!しまった!
浩介君の連絡先を聞こうと思ってたのに話が盛り上がり過ぎてすっかり忘れてしまった
「はぁ……」
「ん?どーした?」
「いえっ何でもないです!」
「そうか?まぁまぁ楽しかったな!また行こうぜ」
「はい!」
あそこで釣りしてたら、また浩介君に会えるかな……
「あ、そう言えば勝哉さんって尾澤……」
「あ?」
「いえ、何でもありません」
尾澤と言う言葉を出しただけでさっきまで機嫌が良かったはずの勝哉さんの眉間にシワが寄った
成る程、迂闊に聞かない方がよさそうだ
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