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第173話

「開けてもいい?」 『うん』 内心ドキドキしながら朔夜の行動をちらちらと観察 袋から取り出し綺麗に包装された紙を破かないように丁寧に開けて行く朔夜 こういうのって性格が出るよなって思う。俺だったらビリビリに破いちゃうのに 「……マグカップ」 『うん。どうかな?や、いつも色々してもらってばっかだからお礼的な……大した物じゃないけどさ』 「やばい……」 朔夜はマグカップをテーブルの上に置き、がばっと俺に抱きついた 「やばい、本当にやばい」 『と、取り敢えず食おう!冷めちゃうから』 「無理、晩御飯なんかどーでもいい」 『朔夜?んんっ!』 いきなり濃厚なキスをされた 『ちょっ何っ』 「先に憂がいい」 『へっ?』 「後で温め直すから先に抱かせて」 『ちょっ禁欲!明日テスト!』 「どーでもいい」 『ダメだって!』 「無理、本当好き」 『うわっ!!』 担ぎ上げられ、寝室へと強制連行された 『……っ!』 ベッドへ勢いよく降ろされ朔夜が覆い被さって来た 『ちょっ落ち着け!』 「無理超好き」 『朔夜!あっ』 首筋にキスされ色々弄り出した これは非常にマズイ 『明日テストだから本当ダメだってば!!』 「まだ夕方だから大丈夫。回復する時間は沢山あるよ」 『そういう問題じゃないって!っっ!』 「ホント可愛過ぎマジ何なの」 本気で止めないと止まらなくなる 朔夜の獣化を何としても止めなければ!! 『これ以上すると俺の言う事1つ聞いてくれるってやつ夏休み中ずっと禁欲にするからな!!キスもなし!!』 「!」 朔夜の手が止まった 『1つ聞いてくれるんだよね絶対。俺、今回マジでいい点取る自信あるよ』 「……」 『言う事聞いてくれるやつ、あれは嘘だったの?』 「……嘘じゃない」 『じゃあやめて。晩飯!』 「うっ……」 効果は抜群だった 『早く食おうよ。なっ?』 脱がされかけている服を着直し朔夜を押し退けて再びリビングへ戻った そして食べ終わった後、朔夜突然またこんな事を言い出した 「今から憂のマグカップも買いに行こう!」 『へ?』 「時間まだ大丈夫でしょ?さ、早く行こう!」 『待て待て待て!』 着替えに向かおうとする朔夜の腕を引いて座らせた 「何?」 そしてそろっと自分のマグカップをテーブルの上に出した 『…………』 「Y……憂?」 『うん』 「オソロ!!!」 『ぐえっ!』 またいきなり抱き締められた 今度は力強く 『朔夜っ苦しい……っ』 「お礼まだ言ってなかったね、ありがとう」 『……ん』 朔夜の背中をぽんぽんと叩き宥めた 別にオソロにするつもりで自分の分も買った訳じゃなかったんだけど、余りにも朔夜が喜ぶもんだから何も言わなかった 結果オソロになっちゃってるし 「大好き」 『ん、俺も』 「やっぱ抱いていい?」 『ダメ!!!』 .

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