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第176話

そして次の日結局昼過ぎまでベッドから出られなかった 何か毎度毎度こんな感じなんだけど 夕方から久しぶりのバイトなのに…… 「連続でしたのは初めてだね」 『全身超痛いんだけど』 「だから憂はいつも力入れ過ぎなんだって」 『いや本当無理、いてて……』 ベッドの至る所は湿気まくってるし色々ヤバ過ぎだろ 「さてそろそろベッドから出ようか、シーツ換えたり色々しないと」 『ん……俺も準備しなきゃ』 「憂の準備は着替えるだけだし早いでしょ?」 『それもなんだけど他にも荷物まとめたり色々しなくちゃいけないからさ』 「荷物?帰るの?」 『えっ?』 「え?」 互いの眉間にシワが寄った 『だって俺のお泊りはテスト期間中だけのはずだろ?』 「や、そうは言ったけど……帰るの?」 『うん、そのつもりだけど』 「……」 黙り込む朔夜 「別に夏休み中ずっといてくれてもいいんだけど。いて欲しいなー」 『いやいやいや流石にそれは長過ぎだからやばい。俺も自分んちが気になるし家空け過ぎると大家さんから変に思われちゃうし』 「はぁ……」 思いっきり溜息をつかれてしまった 「じゃあ俺が夏休み中ずっと憂んちに居ようかな」 『それは本当にやめて』 夕方になり荷物が多かったから朔夜にアパートまで送ってもらった 「バイト先にも……」 『いいよ、荷物片してからバイト行くし。送ってくれてありがとう』 「寂しい」 『夏休み入ったらまた泊まりに行くよ』 「物足りない」 『わかったわかった』 俺も慣れて来たのか朔夜の扱いが雑になって来た気がする 颯太が見たらマジ切れしそうだ 「隣の人、引っ越したの?」 『え?何で?』 「窓の所、カーテン無くなってるから」 朔夜にそう言われて見てみると、確かにいつも閉まってあったカーテンが無くなってて見える限りだけど部屋の中も少し見えててガラッとしてる雰囲気だった 表札も無くなってるし…… 『よく見てるな。俺、全く気づかなかった』 「あれは普通に気がつくでしょ」 『そうかな〜?』 って事は今俺の部屋の隣は空室なのか 俺が朔夜んちに長期連泊してる時に引っ越したんだな 隣なのに全く会った事ないからどんな人がいたのかとか全然わかんねーや 「声出せるね。やったね憂」 『声?』 「ほら、壁薄いからって我慢して……」 『バカ!!』 朔夜の頭ん中はそればっかだ!! しかも何がやったねだよ! 『あーもうっうだうだ言ってる間にもうこんな時間じゃんか』 「えー」 『じゃあまた学校でね』 「えっ?明日は?」 『明日は1人でゆっくりするよ。結局ゲーム出来なかったし』 「……」 『朔夜?』 「そうだよね。憂もやりたい事ずっと我慢してたんだもんね……寂しいけど憂も我慢してたもんね」 同じ事2回言ってるし 『月曜が楽しみだな!テスト返ってくるしっ』 「どーでもいいよ」 『絶対いい点取れてるから覚悟しててよ!』 「覚悟?なんか怖いなぁ」 『言う事1つ聞いてもらうもんね!……じゃあそろそろ入るよ』 「ん、じゃあ終わったら連絡ちょーだいね」 『わかった!』 玄関の扉を開き中に入ろうとした時、何故か朔夜も中に足を踏み入れて来た 「あっつ。部屋の中熱がこもってる」 『ちょっ何……っ』 「外じゃ怒るでしょ?」 『うん』 「じゃあね」 『……うん』 朔夜は俺の体をぎゅっと抱き締めた後玄関の扉を開け帰って行った こういう不意打ちのキスってマジでドキドキする ただでさえ暑いのに更に顔が熱くなるじゃんか .

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